外壁塗装補助金制度について詳しく解説しています。

補助金や助成金を申請して
外壁塗装の費用負担を軽減!

省エネや移住者誘致などを目的に、昨今多くの補助金・助成金が制度化されています。

外壁塗装工事を行う時は、申請できる補助金や助成金がないかどうか調べてみましょう。

ここでは、外壁塗装工事に使える補助金と助成金制度について詳しく解説します。

補助金と助成金の違いや該当する工事の種類、国主導で実施されている補助金についてまとめました。

申請締め切りや予算の上限によって既に申し込みが終了している制度もありますが、補助金や助成金は数年間継続することも多いため、ぜひご覧ください。

外壁塗装工事に使える補助金・助成金

外壁塗装工事に使える補助金・助成金

外壁塗装時に申請できる補助金・助成金の多くは、住宅の維持管理や性能向上などを目的に、国や自治体が工事費用の一部を支援する制度です。

これらの制度を活用することで、工事にかかる施主の費用負担を大幅に軽減できます。

この制度は、国主導で実施しているものだけでなく、自治体が独自の施策として実施しているものもあります。

自分が住んでいる自治体に外壁塗装で申請できる補助金や助成金がないか、ホームページなどで確認してみましょう。

外壁塗装は「外壁工事の一種」として、リフォーム時に申請できることが多いです。

主に、以下の3種類の目的で実施される外壁工事が該当します。

ヒートアイランド対策

外壁塗装に遮熱塗料を使用することで、建物内の室温上昇を抑え、環境への負荷を軽減します。

また、室温が下がることでエアコンの設定温度を低く保つ必要がなくなり、エアコンによる排熱量を削減して、都市部の気温上昇(ヒートアイランド現象)の抑制にもつながります。

エコリフォーム

建物に省エネ性能を高めるリフォームを施します。

外壁や天井に断熱塗料を塗布したり、屋根に太陽光利用システムを設置したり、外壁に限らず建物に関する幅広い省エネ施策に対して適用されます。

一般的なリフォーム

移住者支援や地域内の経済活性化を目的に、一般的なリフォームに対して補助・助成金を支給している自治体も多くあります。

年齢制限や子育て世帯限定などの条件を定めていることがあるため、事前に必ず確認してください。

補助金と助成金の違い

補助金と助成金、どちらも金銭的な支援を受けられる制度ですが、仕組みには違いがあります。

以下に、補助金と助成金の違いを一覧表でまとめました。

項目 補助金 助成金
目的 行政の目的に合う外壁塗装工事を支援
(省エネ・耐久性向上など)
一定の条件を満たす世帯・個人を支援
(住環境の改善や生活支援など)
支給対象 指定の条件を満たす外壁塗装工事
(例:遮熱・断熱塗料の使用、地元業者の利用など)
主に高齢者・子育て世帯・住宅改修支援対象者などが行う工事
申請方法 期間内に申請し、審査に通過すると支給される 条件を満たしていれば原則支給される
申請期間 募集を開始してから締め切るまでの期間が短いことが多い 補助金よりも申請期間が長い
代表的な制度例 省エネ住宅改修補助金、遮熱塗装推進事業など 自治体のリフォーム助成、住宅改修支援制度など
特徴 条件を満たしていても、審査に通過しないと支援されない 条件を満たせば受け取りやすく、生活支援目的が多い

大きな違いは、補助金は応募後に審査があり通過した場合のみ支給されるのに対し、助成金は一定の条件を満たせば原則として支給される点です。

なお、外壁塗装工事に利用できる制度としては、圧倒的に補助金の方が多いです。なぜなら、省エネや耐久性向上などの目的を掲げた行政の施策に外壁塗装工事が合致しやすいからです。

外壁塗装工事に使えそうな国の補助金

外壁塗装工事に使えそうな国の補助金

住宅省エネ2025キャンペーン(国交省、経産省、環境省)

「住宅省エネ2025キャンペーン」とは、国土交通省、経済産業省、環境省の3省が合同で実施している「住宅の省エネリフォームや新築を支援する大型補助金制度」です。

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、断熱性向上のための住宅リフォームや高効率給湯器の導入など、省エネ性能の高い住宅を増やすことを目的に、費用の一部を補助しています。

新築とリフォームにわけ、以下の4つの補助事業で家庭における省エネ化を促進しています。

子育て世代や移住者など対象を限定することなく、一部の新築住宅を除き、すべての世帯が対象になります。

  • 子育てグリーン住宅支援事業<新築><リフォーム>
  • 給湯省エネ2025事業<新築><リフォーム>
  • 先進的窓リノベ2025事業<リフォーム>
  • 賃貸集合給湯省エネ2025事業<リフォーム>

4つの事業の中で外壁塗装による申請が認められる可能性があるのは、「子育てグリーン住宅支援事業」だけです。

残念ながら「子育てグリーン住宅支援事業」だけが予算上限に達しており、受付を終了していますが、多少内容は異なるものの似たような住宅省エネキャンペーンは2023年から始まっているため、今後も継続していく可能性があります。

今後、外壁塗装を検討する際に利用できるかもしれません。

ぜひ一度ご確認ください。

子育てグリーン住宅支援事業(国交省、環境省)

「子育てグリーン住宅支援事業」は、住宅省エネ2025キャンペーンの一環として国土交通省と環境省が行っている事業です。

新築・リフォームともに対象となっており、それぞれ下記のように条件が決められています。

いずれもグリーン住宅支援事業者と契約することが必要です。

新築の場合

GX志向型住宅、長期優良住宅、ZEH水準住宅を建てた場合に補助対象となります。

対象住宅 1戸あたりの補助額 対象者
GX志向型住宅 160万円/戸 全世帯
長期優良住宅 80万円/戸 ・子育て世帯
・若者夫婦世帯
ZEH水準住宅 40万円/戸 ・子育て世帯
・若者夫婦世帯

補助対象住宅ごとに、断熱性能やHEMSの設置など要件が定められています。

なお、「子育て世帯」とは「18歳未満の子を有する世帯」を指し、「若者夫婦世帯」とは「夫婦のいずれかが39歳以下の世帯」を指します。

また、賃貸住宅の新築も対象ですが、条件は上記とは異なります。

リフォームの場合

建築から1年が経過、もしくは過去に人が居住した住宅(現在の居住含む)のリフォーム工事が補助対象となります。

補助対象の具体的な工事内容は以下の通りです。必須工事と附帯工事に分かれていることが特徴です。

対象工事 内容 補助額
必須工事 1.開口部の断熱改修
2.躯体の断熱改修
3.エコ住宅設備の設置
1.上限:60万円/戸(3種すべて実施)
2.上限:40万円/戸(2種実施)
附帯工事 子育て対応改修、バリアフリー改修等

必須工事を2種以上実施することが条件で、行った種類の数によって補助額が変わります。

外壁塗装工事は単体で実施した場合は対象外ですが、上記必須工事も同時に実施すると補助金が支給される可能性があります。

具体例

必須工事2番の「躯体の断熱改修」として、断熱性能の高い外壁材に張り替えた上で外壁塗装を行う

長期優良住宅化リフォーム推進事業(国交省)

「長期優良住宅化リフォーム推進事業」は、住宅の耐震性・省エネ性能・劣化対策などを高め、「今ある住宅を長く・安心して使えるようにリフォームする」ための工事に対して、費用の一部を補助する事業です。

対象

リフォームを行う住宅

※床面積の過半が住宅である併用住宅(事務所や店舗など)も対象

内容

1.リフォーム工事に係る補助額

2.インスペクション(住宅診断)等に係る補助額

補助額

【認定長期優良住宅型】
160万円/1戸

【評価基準型・提案型】
80万円/1戸

補助額は、以下の場合は上限に50万円が加算されます。

  • 三世代同居対応改修工事を実施する場合
  • 若者・子育て世帯が改修工事を実施する場合
  • 既存住宅を購入し改修工事を実施する場合

この事業は、リフォーム工事によって長期優良住宅にすることが目的です。

そのため、事前の住宅診断はもちろん、リフォーム後に“評価基準に適合していること”を第三者(専門家)が確認・証明する必要があります。

評価基準の住宅性能は以下の4つです。

4つのうち維持管理以外の3つが評価基準に達していれば「評価基準型・提案型」、4つとも認定基準に達していれば「認定長期優良住宅型」となります。

  • 劣化対策
  • 耐震性
  • 省エネ性
  • 維持管理

外壁塗装工事は美観目的では補助対象外ですが、工事前のインスペクション(住宅診断)の結果、劣化が指摘された場合や断熱改修と併せて外壁を塗装する場合などは補助の対象になる可能性があります。

既存住宅における断熱リフォーム支援事業(環境省)

既存住宅を「寒くない」「エネルギーを無駄にしない」家にするための断熱リフォーム工事を支援する事業です。

古い住宅は断熱性能が低く、冬は寒く夏は暑くなりがちです。この事業は、住宅の断熱改修を進めることで、快適で健康的な暮らしと、省エネによる光熱費やCO2の削減を実現することを目的としています。

環境省の“事業執行団体”として指定されている「北海道環境財団」が窓口となっていますが、地域は日本全国が対象です。

この事業では、断熱改修の範囲・規模に応じて2パターンの申請枠があり、補助額も異なります。

種類 範囲 補助額の傾向
トータル断熱 住宅全体 高額
居間だけ断熱 一部の居住空間 少額

補助率は、補助対象経費の1/3以内、上限額は8,000円〜120万円と幅が広く、使用する製品によって異なります。

断熱リフォームに使用する製品や建材などは、補助対象製品として登録を受けているものを使用する必要があります。

登録製品の一覧は、事業のホームページから確認できます。

外壁塗装工事を行う場合、遮熱・断熱問わず塗料は対象外ですが、断熱リフォームを行う時は遮熱・断熱塗料を使用すると断熱効率が上がり、より快適な室内環境になります。

逆に、劣化などにより外壁塗装を検討する際は、同時に断熱リフォームを行うと補助金の申請ができる可能性があります。

補助金・助成金申請時の注意点

補助金・助成金申請時の注意点

補助金・助成金を申請する際は、国主導・自治体主導を問わず、以下の点に注意しましょう。

必ず、「認められるかどうか確認してから申請・工事を行う」ようにしてください。

対象かどうか事前に確認

工事を検討する段階で、補助金や助成金制度の対象になるか、一度役場に確認してみましょう。

予定している内容では対象外だったり、施工業者の指定があったりすることがあります。

要件は漏らさず確認

制度の対象になる要件は、とても細かく決まっています。

対象者や対象工事、対象住宅など、要件はひとつひとつ必ず確認してください。

着工日に注意

補助金や助成金の交付が確定する前に工事に着工してしまうと、対象外となってしまうことがほとんどです。

申請が通ってから着工するようにしましょう。

併用可否も事前に確認

外壁塗装に関わる補助金や助成金は、似たようなものが同時期に実施されていることが多いです。

基本的には「同じ工事費に国費を二重充当しない」という考え方に基づいて、申請する補助金や助成金を選びましょう。

例えば、国主導&自治体主導、外壁の劣化改修&窓の断熱リフォームなど、各種の補助金や助成金が併用できることがあります。

逆に、工事内容や施工場所を問わず併用不可という制度もあります。

ケントリファイン

関連記事

ページのトップへ