外壁塗装クリアー塗料について詳しく解説しています。

外壁塗装で使用している
「クリアー塗料」とは?

外壁塗装を検討していると、「クリアー塗料」という言葉を聞くことがあると思います。

特に、凝ったデザインの外壁の場合に業者から提案されることが多いかもしれません。

ここでは、クリアー塗料とはどんな塗料なのか、そのメリット・デメリットと種類、クリアー塗料を使った塗装に向いている/向いていない外壁、代表的なクリアー塗料について、詳しく解説します。

クリアー塗料ってどんな塗料?

クリアー塗料ってどんな塗料?

外壁塗装で使用する「クリアー塗料」とは、色の元である顔料を含まない無色透明な塗料です。

「クリヤー塗料」「クリア塗料」「樹脂ワニス」とも呼ばれ、主に外壁の保護を目的としています。

現在の外壁デザインをそのまま活かせるため、今のデザインを変えたくない方におすすめの塗料です。

なお、クリアー塗料に対し、外壁塗装で一般的に使用する色の付いた塗料は「塗りつぶし塗料」と言います。

クリアー塗料のメリットとデメリット

クリアー塗料を使って外壁塗装を行うメリットとデメリットを解説します。

クリアー塗料のメリット

外壁のデザインを活かせる
クリアー塗料は無色透明な塗料のため、今の外壁のデザインをそのまま活かして塗装できます。
ストーン調やタイル調などこだわりのデザインや色合い、レンガ調など特殊な外壁の場合、クリアー塗料が最も適しています。
外壁にツヤが出る
クリアー塗料と使うと、外壁にツヤが出ます。ツヤの種類は「ツヤ有り」「3分ツヤ有り」「ツヤ消し」など選べます。
外壁にツヤが出ると「外壁の色が濃くなった」ように感じるため、より鮮明な美しい外壁に仕上がります。
また、防汚性や耐候性、UVカットなど、機能性に優れたクリアー塗料もあります。
出したい光沢感の程度と求める機能性に合わせて選びましょう。
外壁を保護できる
クリアー塗料には、撥水効果やカビ・藻を防ぐ効果があるため汚れが付きにくい塗料です。
外壁の汚れは劣化を進める原因になるため、汚れの付きにくいクリアー塗料は外壁を保護し、劣化を遅らせることができると言えます。
塗装回数が少ない
通常、塗りつぶし塗料を使用した場合は下塗り・中塗り・上塗りの「3回塗り」が基本です。
しかし、クリアー塗料の場合は下塗りが不要。
中塗り・上塗りの2回で塗る作業が終了するため、塗る回数が少ない分、費用が抑えられます。
チョーキングが発生しない
チョーキングとは、塗料に含まれる顔料が劣化して粉が吹いたようになる現象です。
クリアー塗料には色の元である顔料が含まれないため、チョーキングが発生しません。

クリアー塗料のデメリット

塗装できない場合がある
後述しますが、クリアー塗料には塗装できない外壁があります。
クリアー塗料との相性を考えずに塗装してしまうと、見栄えが悪くなったり、耐用年数が短くなったりしてしまいます。
クリアー塗料を使用する場合は、外壁の状態をしっかり確認し、業者に「クリアー塗料が使えるかどうか」を必ず確認しましょう。
シーリング部分には使えない
外壁の目地を埋めるシーリング(コーキング)材の上にはクリアー塗料は塗れません。
もしも塗ってしまうと、クリアー塗料が剥がれてしまうことがあります。

クリアー塗料の種類

外壁塗装で使用されるクリアー塗料は、主に以下の5つの種類があります。

種類 説明 耐用年数
アクリルクリア塗料 種類が豊富で安価だが耐用年数が短く、数年後に解体することが決まっている建物に使用されることが多い 約5〜7年
ウレタンクリア塗料 安価で光沢のある仕上がりになるが耐用年数が短めのため、ベランダなど一部塗装の場合に使われる 約8〜10年
シリコンクリア塗料 外壁塗装で使われる主流のクリアー塗料で、耐熱性・耐候性などコストパフォーマンスが高い 約10〜12年
フッ素クリア塗料 耐熱性・防カビ性など機能が豊富で、耐久性が高く耐用年数が長いが高価 約15〜20年
無機クリア塗料 フッ素クリア塗料の機能をより高めたもので、最も高価だが耐用年数は最長 約10~25年

クリアー塗料が向いている外壁とは?

クリアー塗料が向いている外壁とは?

クリアー塗料のメリット・デメリットを踏まえた上で、クリアー塗料に向いている外壁は以下の通りです。

①デザイン性の高いサイディング外壁
レンガ調やタイル調、木目調など凝ったデザインや、ツートンカラーで仕上げた外壁など、高い意匠をそのまま残したい場合、クリアー塗料が最適です。
特にツートンカラーの外壁では色の違いをはっきりさせた方が美しく見えるため、色が濃く見えるようになるクリアー塗料はおすすめです。
②打ちっぱなしのコンクリート
打ちっぱなしのコンクリート外壁は、実は雨水が侵入しやすい外壁材です。また、汚れも付きやすいため、撥水剤などを使って表面を保護する必要があります。
クリアー塗料を使うと、無機質でクールな印象はそのままに外壁を保護できます。
③モルタルのコーティングもOK
「モルタル」とは、セメントに砂と水を練り合わせたものです。外壁の表面に塗って仕上げますが、ひび割れしやすいという特徴があります。
クリアー塗料は、モルタルのコーティングにも使用できるため、モルタルの質感を活かしたまま外壁を保護できます。

クリアー塗料が向いていない外壁は

一方、クリアー塗料が向いていない外壁もあります。

①特殊コーティングされた外壁
光触媒や無機塗料、フッ素塗料などの特殊なコーティングをされた外壁の場合、クリアー塗料はおすすめできません。
これらは塗膜のコーティング効果が強く、クリアー塗料を塗っても剥がれてきてしまうことがあります。
②劣化が進んでいる外壁
前項で「向いている外壁」として紹介したものでも、既に劣化が進んでいる場合、クリアー塗料は向いていません。
クリアー塗料は無色透明のため、傷んでいる場所や汚れが目立ってしまいます。
クリアー塗料は「劣化する前に使う塗料」で、目安は築10年前後、と覚えておきましょう。

代表的なクリアー塗料

商品名 メーカー名 耐用年数 費用 特徴
ピュアライドUVプロテクトクリヤー 日本ペイント 10年~12年 2,500円~3,000円/m² サイディング用クリア塗料。UVカット機能がある。
SKシリコンクリヤーW エスケー化研 12年~15年 2,060円/m² アクリルシリコン樹脂を採用、低汚染性がある
無機ハイブリッドクリヤー アステックペイント 15年以上 4,500円~5,000円/m² 無機クリアー塗料で高耐久。
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