ラジカル制御型塗料について詳しく解説しています。
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  3. 外壁塗装 ラジカル塗料(ラジカル制御型塗料)ってどんな塗料?

ラジカル塗料(ラジカル制御型塗料)とは?

「ラジカル塗料」と呼ばれるラジカル制御型塗料をご存じでしょうか?

外壁塗装に使われる塗料と言えば、価格と性能のバランスが良いシリコン塗料が主流ですが、ラジカル塗料は「劣化を遅らせる」塗料として人気急上昇中の塗料なんです。

ここではラジカル塗料について、人気の理由やメリットデメリット、シリコン塗料との違いなど詳しくご紹介します。

ラジカル塗料を使うのはどんな場合なのか、使用する時の注意点もまとめましたので、外壁塗装を検討している方はぜひご覧ください。

ラジカル塗料って?ラジカル制御型塗料が人気の理由

ラジカル塗料とは、正式には「ラジカル制御型塗料」といいます。これは、塗膜の劣化を遅らせる機能を持つ塗料のことです。

「劣化を遅らせる=塗料の耐用年数が長くなる」ため、とても注目されているのです。

そもそもラジカルってなに?

「ラジカル」とは、塗装を劣化させる原因になる物質のことです。

このラジカルを抑制することを、「ラジカル制御」と言います。

塗料は主に3つの成分でできている

塗料は主に3つの成分でできている

塗料は主に、「顔料」「添加剤」「合成樹脂」の3つの成分でできています。

顔料
塗膜に色を付けるための粉末。着色以外にも、遮熱性や防錆性などの機能を持っている。
添加剤
塗膜の性能を上げるために「防カビ」「抗菌」「防藻」などの機能を追加する成分。
合成樹脂
塗料の品質や耐久性を決める主な成分で、「アクリル樹脂」「ウレタン樹脂」「シリコン樹脂」などがある。使われる合成樹脂によって、塗料の品質が変わる。現在、外壁塗装の主流となっているシリコン塗料にはシリコン樹脂が入っている。

塗料が劣化する仕組みにラジカルが関係している

塗料が劣化する仕組みにラジカルが関係している

外壁塗装が劣化する主な原因は、太陽光に含まれる紫外線です。

紫外線が長期間外壁にあたると、顔料の主成分である「酸化チタン」からラジカルが発生します。

ラジカルは有機物を分解する性質があり、塗料に含まれる樹脂層の結合を破壊します。

塗膜の樹脂層が破壊されると塗膜は徐々に薄くなっていき、塗料の耐久性や機能が落ちていきます。

また、樹脂によって繋ぎ止められていた顔料が粉状になって表面に現れます。

これが、塗膜の劣化サイン「チョーキング」です。

ラジカル塗料はなぜ劣化を遅らせるの?

ラジカル塗料の主な成分は、「高耐候酸化チタン」と「光安定剤(HALS)」です。

ラジカル塗料はなぜ劣化を遅らせるの?
高耐候酸化チタン
バリア層がある酸化チタンで、発生したラジカルをバリア内に閉じ込める。
光安定剤(HALS)
バリア層から漏れ出したラジカルを捕まえて封じ込める。

この2つの相互作用によって、ラジカルによる塗膜の劣化を抑えるのです。

ラジカル塗料のメリット

ラジカル塗料には、以下のような6つのメリットがあります。

①チョーキングが起こりづらい
外壁を触ると白い粉のようなものが付く「チョーキング」。
これは劣化のサインと言われていますが、この原因になるラジカルの発生を抑制するため、チョーキングが起こりづらくなります。
②汚れが付きにくく、塗料のツヤが長持ちする
ラジカル塗料は光沢があるため汚れが付きにくく、塗料のツヤが長持ちします。
ツヤ消しも可能ですが、ツヤ有りの方が塗膜の寿命が長くなります。
③日当たりの悪いところにも有効
ツヤのある塗膜はカビやコケが付着しにくく、防カビ性・防藻性に優れています。
そのため、日当たりの悪い場所でも清潔な塗装を保てます。
④塗装しやすい
ラジカル塗料は伸びやすく飛散しにくいため、塗装しやすい塗料です。また、水性の1液型が多く、職人さんが扱いやすいです。
⑤ニオイが少ない
ラジカル塗料は水性のため、油性の塗料よりもニオイが少ないです。
⑥外壁の下地を選ばない
メリット④にある通り、ラジカル塗料は塗料の伸びが良く、飛散しにくい特徴があります。
そのため、サイディングやモルタル、木部、アルミなど下地を選ばずに塗装できます。

ラジカル塗料のデメリット

従来の塗料に比べてメリットの多いラジカル塗料ですが、デメリットもあります。

①耐用年数の確認ができていない
ラジカル塗料は、販売開始が2012年と比較的新しい塗料です。
メーカーが公表している耐用年数は14〜16年とあり、2026年以降でないと正しい耐用年数が判断できません。
②濃い色を選べないことがある
ラジカル塗料の主成分である「高耐候酸化チタン」は、白い顔料です。
そのため濃い色を作ることが難しく、製品によっては濃い色を選べないことがあります。
③製品数が少ない
新しい塗料のため製品のラインナップが少なく、ツヤや色合いなど希望のものが見つからないおそれがあります。
④塗装業者によっては取り扱いがない・施工経験がない場合がある
発売されてから日が浅い塗料のため、塗装業者によってはラジカル塗料を扱っていないことがあります。
また、施工経験やノウハウを持つ職人さんが少なく、断られてしまうケースもあります。
ただし、発売から10年が経つ現在では徐々に実績も増えてきています。

外壁塗装で主流のシリコン塗料とラジカル塗料は何が違う?

外壁塗装で現在主流のシリコン塗料とラジカル塗料の違いをまとめました。

シリコン塗料 ラジカル塗料
価格(/m²)
※足場や補修代は除く
2,000〜3,000円 2,500〜3,500円
主要成分 シリコン樹脂+従来の顔料(酸化チタン)+添加剤 合成樹脂+高耐候酸化チタン+添加剤
耐用年数 8〜12年 14〜16年
種類 多い 少ない
ニオイ あり(水性塗料は少ない) 少ない
塗りやすさ 塗りやすい とても塗りやすい
実績 多い 少ない
特徴
  • 現在一番多く使われている塗料
  • 撥水性、防水性、耐熱性などの標準性能を備える
  • 2012年に発売された注目の塗料
  • 外壁の劣化を抑える高性能な塗料

ラジカル塗料はシリコン塗料と比べて価格が高いですが、その分耐用年数が長く、コストパフォーマンスに優れています。

劣化を遅らせる高性能な塗料でニオイも少なく塗りやすい塗料ですが、種類は多くありません。

一方、シリコン塗料はラジカル塗料よりも耐用年数は短いですが、安価で種類も豊富です。

ニオイは強いものの、現在一番多く使われている塗料です。

おすすめのラジカル塗料を比較

おすすめ度 塗料名 耐用年数 単価 メーカー
★★★ リファイン1000Si-IR 15年~18年 2,000円~2,500円 アステックペイント
★★★ エスケープレミアムシリコン 14年~16年 2,200円~2,800円 エスケー化研
★★ アレスダイナミックトップ 15年 2,500円~3,000円 関西ペイント
★★ パーフェクトトップ 10年~12年 3,800円~4,300円 日本ペイント
参考 アレスダイナミックルーフ(屋根用) 13年~15年 2,500円~2,700円 関西ペイント

おすすめ度No.1は、アステックペイントの「リファイン1000Si-IR」です。

コストパフォーマンスがもっとも高く、上記の表には入れていませんが屋根用の「リファイン500Si-IR」もあります。

ただし、メーカーとして一番知られているのは日本ペイントなので、塗装業者によってはアステックペイントの塗料を扱っていない場合もあります。

なお、各メーカーのホームページなどでは「ラジカル塗料」と謳っていないことがありますが、「高耐候形白色顔料」や「高耐候形酸化チタン」などを含有しているという表記があれば、ラジカル制御を行う塗料です。

ラジカル塗料を使うのはどんな場合?

ラジカル塗料は、以下のような方におすすめです。

コストパフォーマンスの高い塗料にしたい
ラジカル塗料はシリコン塗料に比べて塗料の価格が高いため、初期費用が上がります。
しかし、耐用年数が長く塗り替えまでの期間が長いことを考えると、コストパフォーマンスが高いと言えます。
ラジカル塗料と一般塗料の見積金額がほぼ同じだったため悩んでいる
ラジカル塗料は高い耐候性や低汚染性の機能を持っています。
同程度の金額であれば、ラジカル塗料の方が機能性が高くおすすめです。
淡彩色系の塗料で塗り替えを考えている
ラジカルを発生させる「酸化チタン」は、塗料に含まれる白色顔料です。
淡彩色の塗料で塗り替えをする場合は、酸化チタンではなく高耐候酸化チタンを含むラジカル塗料を選ぶと劣化のサインである「チョーキング」が起こりにくくなります。
なお、白色顔料を含んでいるラジカル塗料には濃い色がほとんどありません。
しかし、そもそも濃い色の塗料は酸化チタンを含まずチョーキングが起きにくいため、濃色で塗装する場合はラジカル塗料にこだわる必要はありません。

ラジカル塗料にする場合の注意点

ラジカル塗料を使って外壁塗装をする場合は、以下のことに注意しましょう。

耐用年数が公表されているものよりも短い恐れがあることを念頭に置く
ラジカル塗料の耐用年数は、平均して14〜16年と公表されています。
しかし、2012年に販売された塗料のため、耐用年数が本当に正しいのかどうかはまだ確認できません。
施工実績のある塗装業者を選ぶ
ラジカル塗料は比較的新しい塗料のため、施工したことの無い塗装業者もいます。
塗りやすい塗料ではありますが、ラジカル塗料の塗装経験があるかどうか見積もり時に確認しましょう。
相見積もりを取って比較する
ラジカル塗料に限った話ではありませんが、外壁塗装を行う時には必ず複数の業者から同条件で見積もりを取りましょう。
その際、ラジカル制御される塗料も検討している旨を伝えておきます。
また、ラジカル塗料のような新しい塗料は情報が少ないため、悪徳業者が目をつけやすいと言えます。
必ず「塗料名が記載されているか」「下塗りや中塗りをしているか」「詳細な項目があり、それぞれ説明できるか」などを確認してください。

優良業者を見極めるポイントについて、詳しくはこちらをご覧ください。

外壁塗装の優良業者の見極め方!大手のメリットデメリットも解説します
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