外壁塗装サイディング外壁について詳しく解説しています。

サイディング外壁の種類やメリットについて詳しく解説!

新築戸建て住宅の外壁材はほとんどがサイディングであり、現在、主流の外壁材となっています。

ここでは、「サイディング外壁」とはなにか、その種類や選び方などを詳しく解説します。

外壁リフォームでサイディングにする際のメリットデメリットもまとめました。

サイディングとは

サイディングとは

サイディングとは、外壁の仕上げに使われる外壁材のひとつで、工場で成形された「サイディングボード」と呼ばれる板を外壁に貼り付ける工法です。

壁の大きさに合わせてカットしたサイディングボードを壁に貼り、つなぎ目にコーキング材(シーリング材とも言う)と呼ばれるペースト状の材料を埋めて仕上げます。

サイディングには以下のような特徴があります。

  • 外壁材の品質が一定
  • 施工が簡単
  • 工期が短い
  • 軽い
  • 比較的低価格
  • デザインが豊富
  • 耐火性や耐久性に優れる

1964年に使われ始めたサイディングは、1990年代以降、外壁の仕上げ材として主流になりました。それまでは職人が手塗りで仕上げるモルタルが主流でした。

社団法人日本サッシ協会「2023年3月版『住宅用建材使用状況調査』の概要(2023年5月1日)」によると、2023年に使用された外壁材の85%以上がサイディングで、モルタルはわずか7%程度です。

サイディングボードの種類と特徴

サイディングは、「何を主原料としてサイディングボードに加工されたか」によって4つの種類に分けられます。

窯業(ようぎょう)系サイディング

主な原料
セメント+木質繊維
メリット
デザイン性に優れる。多くの業者が実績を持つ。安価。
デメリット
定期的にコーキング(シーリング)のメンテナンスが必要。蓄熱性がある。

窯業系サイディングは、サイディングの中でもっとも人気があります。一般的に「サイディング」といえば、「窯業系サイディング」を指します。

デザインのバリエーションが豊富で初期費用を抑えられ、取り扱い業者も多いため、新築の戸建て建売住宅では100%近いシェアを占めていると言われています。

金属系サイディング

主な原料
ガルバリウムやアルミニウム、ステンレスなどの鋼板
メリット
耐水性・耐震性・断熱性に優れる。軽量。
デメリット
デザインがシンプル。施工できる職人が限定される。

金属系サイディングは、窯業系サイディングに次いで人気があります。素材の鋼板の裏に断熱材が裏打ちされており、断熱性能の高いサイディングです。

金属製の板を成形しているため耐震性に優れ、コケや藻などの汚れにも強いです。

水を通さないため、豪雪地帯や寒冷地の外壁に特に適しています。

樹脂系サイディング

主な原料
塩化ビニル樹脂(プラスチックの一種)
メリット
軽量。耐久性・耐候性に優れる。コーキング不要でメンテナンスが容易。
デメリット
色やデザインのバリエーションが少ない。日本ではあまりなじみがない。

樹脂系サイディングは、塩化ビニル樹脂を薄い板状に加工したもので、凍害に強いため主に北米で普及しています。

塩害・凍害に強く、継ぎ目がないためコーキング(シーリング)不要でメンテナンスが簡単など多くのメリットがあります。

日本で取り扱っている業者は多くありませんが、とても軽量なので重ね張りに最適です。

木質系サイディング

主な原料
天然木
メリット
断熱性に優れる。温かみのある質感。
デメリット
こまめなメンテナンスが必要。高価。

木質系サイディングは、天然木など木材の表面に塗装を施した外壁材で、木ならではの温もりのある質感が人気です。

戦前までの戸建て住宅で多く使われていました。

現在では窯業系や金属系など、他のサイディングと木質系を組み合わせた仕上げが若い世代を中心に人気を集めています。

【種類別】サイディング外壁のメンテナンス時期と費用相場

メンテナンス内容 時期 耐用年数 費用相場
窯業系 塗装やシーリングの補修 8~15年 20~40年 4,000~5,000円/m²
金属系 塗装やシーリング、キズ、サビの補修 10~15年 20~40年 3,000~9,000円/m²
樹脂系 ほぼ不要(色つき素材のため、塗装も30年ほど不要) 10~30年 20~50年 8,000~10,000円/m²
木質系 塗装やシーリングの補修 3~10年 15~40年 6,000~10,000円/m²
※2022年、運営者調べ

【目的別】サイディングの選び方

4種類のサイディングの中からどれが自分の希望に合うのか、見極めるのは難しいかもしれません。

そんな時は、下記の「目的別」から検討してみてください。

いろいろなデザインから選びたい窯業系木質系
現在主流の窯業系サイディングは、洋風や和風、モダンなどデザインの種類がとても豊富です。色も柄も、4種類の中でもっともバリエーション豊かです。
温かみのある質感や、ホッとする味わいを求める方は、木質系サイディングも検討してみましょう。
できるだけ価格を抑えたい窯業系
窯業系サイディングは工場で生産するため品質が一定で、取り扱い業者も多く、安価です。
また、現場での作業が少ないため施工日数が短く済み、その分人件費などの費用が抑えられます。
メンテナンスに手間を掛けたくない金属系
金属系サイディングは水を通さないためコケや藻などの発生がなく、外壁の耐用年数が長めです。
窯業系サイディングの1/4程度という軽さから耐震性にも優れ、ひび割れなどの心配もありません。
塩害・凍害に強い外壁にしたい樹脂系
海沿いに建つ住宅や豪雪地帯などの住宅では、樹脂系サイディングがおすすめです。
耐候性に優れ、塩害や凍害に強いです。外壁材自体に色が付いているため塗り替えが不要で、メンテナンスもほとんどいりません。
全体的にコスパのいい外壁にしたい窯業系
耐用年数や価格、塗り替えなど総合的なコストパフォーマンスに優れているのは窯業系サイディングです。
耐震性や耐火性などの機能やデザインの種類も豊富で、価格帯も幅広く設定されています。

サイディングにリフォームするメリットデメリット

サイディングはデザインのバリエーションが豊富で比較的安価なため、新築住宅だけでなく外壁のリフォームで選ばれることも多い外壁材です。

サイディングを選ぶメリットとデメリットを解説します。

サイディングのメリット

比較的安価
サイディングは他の外壁材に比べ安価で、手軽に外壁を一新できます。施工が簡単で工期が短く済むため施工費用も抑えられます。
また、現在の外壁を解体せず、上にそのまま重ねて施工する「カバー工法」ができることもあります。
耐震性に優れる
サイディングは軽いため、耐震性に優れています。
モルタルはサイディングの2倍以上の重さがあるため、モルタル外壁からサイディング外壁にリフォームした場合は耐震性が向上します。
デザインが豊富
サイディングは色や柄、質感などデザインがとても豊富です。
2種類のサイディングを組み合わせたり、色やデザインの異なるサイディングをポイント使いしたりなど、自分好みのオシャレな外壁にすることもできます。

サイディングのデメリット

現在主流のサイディングには、大きなデメリットはありません。

ただし、モルタル外壁からサイディング外壁にリフォームする場合は、「モルタルの撤去」という工程が増えるため、その分工期が延び、費用が追加されます。

サイディングのメンテナンス

サイディングのメンテナンス

サイディング外壁には、3種類のメンテナンス方法があります。

コーキング(シーリング)の補修
サイディング外壁では、サイディングボードの継ぎ目や窓枠部分にコーキング剤を充填しています。
コーキングには、以下の3つの役割があります。
  • 雨水の侵入を防ぐ
  • 建物の気密性を高める
  • 地震などの揺れで外壁材がズレるのを防ぐ
このような重要な役割を持つコーキングは、サイディング外壁ではもっとも早く劣化します。
劣化の症状は主にひび割れや肉痩せ、剥離で、5〜10年ほどで症状が現れ始めます。
コーキングの補修では、コーキング剤を新たに充填する「増し打ち」か、新しくコーキングする「打ち替え」を行います。
一般的に、コーキング補修の費用相場は30〜40万円程度ですが、古いコーキングの撤去が必要な分、打ち替えの方が費用は高くなります。
また、足場を組む場合には足場代も必要です。
塗装
外壁を手で触ると粉状のものが付く「チョーキング」や、広範囲のカビ・藻の発生、色褪せ、塗膜の膨れなどの劣化症状が見られる場合には、塗装によるメンテナンスが必要です。
使用する塗料にもよりますが、上記のような劣化症状は、一般的に塗装後10年前後で現れ始めることが多いです。
コーキングの補修と塗装は同時に行うことができ、足場代も節約できるためおすすめです。
補修したコーキングの上から塗装を行うと、コーキングの持ちも良くなります。
使用する塗料や塗る面積によって費用は異なりますが、一般的に100万円前後と言われています。
重ね張り・張り替え
外壁自体が割れて欠けていたり、反っていたりするなど大きく劣化している場合は、重ね張りや張り替えが必要です。
  • 重ね張り・・・現在の外壁の上から新しい外壁を貼る
  • 張り替え・・・現在の外壁を撤去し、新しい外壁を貼る
費用の目安は、重ね張りで150〜200万円、張り替えで180〜250万円です。
ケントリファイン

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