外壁塗装防錆塗料防さび方法について詳しく解説しています。
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  2. 外壁の塗り替えをするべき時期や症状を徹底解説!放っておくとどうなるの?
  3. 「防さび塗料・防錆塗料(ぼうせいとりょう)」ってどんな塗料?

さびは放置しておくと危険!しっかりさび止めをして建物を守ろう

ガルバリウム鋼板やトタンなど金属製の屋根・外壁の大敵と言えば「さび」!

建物の見た目が悪くなるだけでなく、そのまま放っておくと建物自体の耐久性が下がってしまいます。

ここでは、さびとはなにか、防さび塗料の役割や種類、使用できる素材、建物周辺での塗布が必要な場所などについて詳しく解説します。

防さび塗料・防錆塗料(ぼうせい塗料)とは?

防さび塗料・防錆塗料(ぼうせい塗料)とは?

防さび塗料とは、文字通り「さびを防ぐ」ための塗料です。

「防錆(ぼうせい)塗料」「防銹(ぼうしゅう)塗料」「さび止め塗料」「さび止めペイント」などとも呼ばれます。

金属素材の表面に塗り、塗料の塗膜によってさびの原因である水や酸素を遮断します。

そもそも「さび」ってどうしてできるの?

「さび」とは、金属の表面に水分や酸素が触れることで還元や酸化などの反応が起き、金属を腐食させてしまう現象のことです。

「金属」と一口に言っても、いろいろな種類があります。

外壁で使用される金属製の外壁パネルを「金属サイディング」といい、新築では窯業サイディングの次に普及しています。

金属の種類はガルバリウム鋼板やガルテクト鋼板が多く使用されています。

さびるとどうなる?

さびた金属をそのまま放置しておくと、見た目がみすぼらしくなったり、使いにくくなったり、金属に穴が開いたりします。

金属サイディングがさびると建材そのものが脆くなり、建物の耐久性が下がることに繋がります。

さびないようにするにはどうしたらいいの?

さびを防ぐには、金属が空気中の水分・酸素に触れないようにする必要があります。

一般的に、以下の3つの方法があります。

  • さび止め用の油を塗る
  • 塗料を塗る
  • さびにくい金属でメッキ処理を行う

外壁では、2番の「塗料を塗る」が該当します。

この「塗料」は色を付けるためのものだけではなく、防さび塗料も含まれます。

防さび塗料の役割

防さび塗料の役割は、大きく分けて「予防」と「抑止」の2つです。

さびが発生する前の「予防」

金属サイディングの現在の主流は「ガルバリウム鋼板」です。

ガルバリウム鋼板はさびにくく、耐久性が高いことに加え、コストパフォーマンスにも優れています。

その他の金属では、アルミやトタン、2019年に新しく販売開始した耐久性の高いエスジーエル鋼板などがあります。

しかし、金属である以上どんなにさびに強い素材であっても永久にさびないことはないため、「さびる前に」予防として防さび塗料の塗布が必要です。

外壁塗装では「3度塗り」といって塗料を「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3回塗ります。そのうち、防さび塗料は「下塗り」の段階で建物に塗ります。

さびを防いで外壁材を保護するとともに、上塗り塗料との接着性も高めます。

なお、防さび塗料は紫外線に弱いため、耐候性の高い上塗り塗料を必ず塗りましょう。

さびが発生した時の「抑止」

すでにさびが発生してしまっている場合は、それ以上さびが広がらないように「抑止」として防さび塗料を塗ります。

さびによる腐食が進んでしまうと、さびを落とす作業にかなりの時間と労力を費やすため費用が跳ね上がり、さらに建材自体の耐久性も下がってしまいます。

さびを見つけたら、早めに対応しましょう。

発生しているさびを取るためには、「ケレン」と呼ばれる作業を行います。

ケレンとは、下地に付いている汚れやさびを、ヤスリやブラシ、電動工具を使って削り落とす作業のことです。

さびの度合いによっては、補修作業が必要になることもあります。

ケレンで既存のさびをすべて取り除いてから、防さび塗料を塗ります。その後、「予防」と同じように上塗り塗料を塗ります。

防さび塗料の種類

防さび塗料は「油性系」「エポキシ樹脂系」の2つに大別され、「油性系」はさらにJIS規格によって「油性系(1種)」と「合成樹脂系(2種)」に分けられます。

現在の主流はエポキシ樹脂系です。かつては「鉛系」「クロム系」が主に使用されていましたが、鉛系は海洋汚染に、クロム系は健康被害に繋がるとされ現在では使用されていません。

油性系(1種)

密着性が高く、塗装した表面が厚いため防さび性能に優れている一方で、乾燥に時間がかかります。

夏場で3〜4時間、冬場で6〜8時間の乾燥時間が必要なため作業効率が悪く、工期が長くなります。作業時間が長くなればその分人件費もかさみ、デメリットが大きいため現在ではほとんど使われていません。

合成樹脂系(2種)

油性系(1種)に比べ層が薄いため、早く乾燥します。また塗装に慣れない人が塗ってもきれいに仕上げることができます。

しかし、層が薄いため防さび性には劣ります。

防さび塗料を2回塗りする場合は、一般的に1回目を油性系(1種)、2回目を合成樹脂系(2種)で塗装することが推奨されています。

エポキシ樹脂系

エポキシ樹脂にさび止めの顔料を入れた塗料で、現在の主流です。

「エポキシ樹脂」とはプラスチックの一種で、密着性・速乾性・耐久性に優れ、臭いも少なく、油性系には劣るものの防さび効果も高めです。

さらに、外壁材の内部へ浸透し補強する効果があります。

ただし、紫外線に弱いため必ず上塗りを行いましょう。また、上に塗る塗料によっては相性が悪く、耐久性が落ちることがあります。エポキシ樹脂系防さび塗料と相性の良い仕上げ塗料を選択しましょう。

防さび塗料の耐用年数

防さび塗料の耐用年数

防さび塗料単体での耐用年数は比較的短く、屋内・屋外で劣化の程度は異なるもののおよそ5年と言われています。

外壁塗装の耐用年数が10年前後と言われているのは、「下塗り」として防さび塗料を塗布した後に「中塗り」「上塗り」を行うからです。

さびは一度発生するとどんどん進行し、塗装でのメンテナンスでは間に合わないほどの劣化症状を起こしてしまいます。

金属部分は塗料の塗膜で保護されているため、以下のような塗膜劣化の症状が現れたら耐用年数にとらわれず塗料の塗り直しを検討しましょう。

チョーキング

表面を触ると手に粉のようなものがつく現象を「チョーキング」といいます。

これは、塗膜が紫外線などにより劣化し、塗料に含まれる顔料が表面に出てきている状態です。

塗料の機能が低下し始めていると言えます。

ひび割れ

「クラック」とも呼ばれるひび割れは、放置しておくと「構造クラック」と呼ばれる大きなひびになってしまい、建物自体の耐久性低下につながります。

また、ひび割れから酸素や水分が入り込み、金属の腐食を招きます。

塗膜の膨らみ・剥がれ

塗料が膨らんでしまい、剥がれている場合は早急に塗り替えを検討してください。

これは外壁材が表に出てしまっている状態で、雨水や紫外線の影響を外壁材が直接受けるため劣化が進行してしまいます。

さびが出てしまったらもう手遅れなの?

斑点程度の小さなさびであれば、さびだけをやすりなどで削り取り、さび止めを塗って塗装を行えば対処が可能です。

この程度であれば、DIYでもできますね。

外壁の劣化症状について、詳しくはこちらをご覧ください。

外壁の塗り替えをするべき時期や症状を徹底解説!放っておくとどうなるの?

防さび塗料を使用できる素材

防さび塗料は、鉄や鋼材、トタン、亜鉛メッキ、アルミ、ステンレスなど金属素材に使用します。

金属ならどの防さび塗料を塗っても良いというわけではなく、塗料によって適応する金属が異なるため注意が必要です。

外壁塗装業者のようなプロであれば間違えることがないと思いますが、門扉や物置などDIYで防さび塗料を使用する場合はしっかり確認しましょう。

ちなみに、積雪対策として使用される融雪剤は塩が原料であり、塩は金属素材の腐食を早めさびの発生を誘発してしまいます。

金属素材の建物周辺に融雪剤を巻く場合には、定期的に防さび塗料でのメンテナンスが必要です。

建物周辺で金属素材を使用している場所については、次項で紹介します。

外壁で防さび塗料が必要な場所とは

「外壁材が金属サイディングでないなら防さび塗料は必要ないのでは?」と思う方がいるかもしれません。

しかし、屋根を含む外壁周りには金属を使用している場所が複数あります。

それらがさびないよう、しっかり塗装しましょう。

一般的に、以下の場所は金属が使用されていることが多いです。

場所 素材
屋根
  • ガルバリウム鋼板
  • エスジーエル鋼板
  • トタン
  • 金属瓦
  • 銅板の屋根材
  • 棟板金や軒先板金

など

外壁
  • ガルバリウム鋼板
  • エスジーエル鋼板
  • トタン
  • アルミ

など

付帯部 雨どい、破風板、鼻隠し、庇、軒、化粧胴差、水切り、雨戸、シャッター など
  • スチール
  • ガルバリウム鋼板
  • アルミ

など

建物周辺 ポスト、フェンス、屋外階段、門扉 など
  • スチール
  • ガルバリウム鋼板
  • アルミ

など

防さび塗料のカラー

鉛系の防さび塗料が使用されていたころは、鉛が原料だったため鉛の色である赤茶色の塗料が一般的でした。

しかし、有害性の観点から鉛系以外の防さび塗料が使用されるようになり、現在ではいろいろなカラーの物が選べます。

基本色は白、グレー、赤ですが、仕上げ塗料の色によってアイボリーやブルー、グリーンなどが選べることもあります。

ただし、外壁塗装に関しては今でも赤茶色や基本色のグレーが使われることが多いです。

これは、防さび塗料は下塗りの段階で使用され、中塗り・上塗りによって完全に色が隠れるからです。

防さび塗料は素材や上に塗り重ねる塗料との相性があるため、「どうしてもその色が良い理由」がない限りはあまり気にする必要はありません。

防さび塗料のデメリット

金属をさびから守り素材の強度を保つためにとても有用な防さび塗料ですが、デメリットが2つあります。

①さびる前に塗らないといけない

防さび塗料は金属表面に塗布し、さびの原因である水分や空気と金属素材が触れないように遮断します。

そのため、既にさびが発生している金属に後から塗ってもさびが消えることはなく、さびの進行は止められません。

なお、現在では「さびの上から塗れる防さび塗料」も販売されています。

塗料に含まれる特殊防錆材がさびと強力に結び付き、さびの進行と発生を抑えます。

DIYでさびてしまった門扉などを塗装したい場合はこちらがおすすめです。

②塗るのが難しい

防さび塗料は下塗りで塗布しますが、ほかの下塗り塗料と比べて塗膜が厚くなるため均等に塗るには技術が必要です。

塗りムラがあると塗料の機能が落ちるため、経験豊富な業者に依頼しましょう。

ケントリファイン

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