外壁塗装の塗料として話題の
「GAINA(ガイナ)」を詳しく解説!
外壁塗装の塗料として人気の「GAINA(ガイナ)」。
ここでは、ガイナとはどんな塗料なのか、ガイナのメリット・デメリット、他の断熱・遮熱塗料との違いを紹介します。
ガイナは多機能塗料ですが、向いている人や向いていない家があります。ガイナを使用する時の注意点とあわせて解説しているので、外壁塗装でガイナを検討している方はぜひご覧ください。
話題の塗料「ガイナ」ってなに?
「ガイナ」は、日進産業が製造販売している断熱セラミック塗料です。
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同研究から生まれた断熱塗料で、宇宙ロケットの塗装技術を一般建築用に転用した「民間転用プロジェクト認定」商品です。東大寺宝物殿や上野動物園のライチョウ舎などでも使用されています。
ガイナは、塗料に含まれる「特殊セラミックビーズ」という中空のビーズにより熱が伝わりにくくなる、高い断熱性/遮熱性が特徴です。
断熱・遮熱性能によってエアコンの効きが良くなることも多く、2018年度には省エネ大賞審査員特別賞を受賞しています。
また、断熱性以外にも多くの機能を備えているため人気があります。
ガイナのメリット・デメリット
- ガイナのメリット
-
最も大きなメリットは、高い断熱性能と遮熱性能の両方を持っていることです。
冬は断熱性能で室内の暖かさを逃さず保温でき、夏は遮熱性能で太陽光の熱を反射して室内を涼しく保ちます。
その他、以下のような機能を備えており、多機能であることもメリットのひとつです。- 遮音性能
- 高耐久性
- 防汚性能
- 防露性能
- 安全性
- 空気質改善による消臭効果(室内に塗装した場合)
- ガイナのデメリット
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ガイナの一番のデメリットは、他の塗料よりも単価が高いことです。
一般的な費用相場は、主流のシリコン塗料を使用した場合90〜100万円程度ですが、ガイナの場合は130〜150万円程度と高め。施工条件次第では、それ以上の金額になることもあります。
その他、以下のようなこともデメリットとして挙げられます。- 塗膜の表面が凸凹しているため汚れやすい
- ツヤ(光沢)消しタイプのみ
- 色の種類が少ない(52色のみ)
- 受注生産のため納品に時間がかかり、施工開始が遅くなる
ガイナと一般的な断熱塗料や遮熱塗料の違い 一覧表
断熱・遮熱性能のほか、耐用年数や施工費用など、ガイナと一般的な断熱・遮熱塗料の違いをまとめました。
ガイナ | 断熱塗料 | 遮熱塗料 | |
---|---|---|---|
耐用年数 | 15~20年 | 15~20年 | 10~15年 |
塗料の単価 | 高い | 少し高い | 一般的な塗料とほぼ同じ |
施工費用(1m²あたり) | 3,500円~5,000円 | 2,400円~4,000円 | 2,300円~3,500円 |
太陽光の処置方法 | 主成分の特殊セラミックビーズが、温度の高い側から届いた熱を戻す | 太陽光による熱を室内に伝わりにくくする | 太陽光を反射して、室内に熱が伝わらないようにする |
夏の室内 | とても涼しい | 涼しい | 涼しい |
冬の室内 | とても暖かい | 暖かい | 保温効果なし |
空気のイオン化機能(消臭) | あり | なし | なし |
ガイナはどんな人に向いている?
上記メリットと照らし合わせると、ガイナは以下のような家が欲しい人に向いていると言えます。
- 1年中快適な家に住みたい
- 静かな環境を望む
- メンテナンスコストを下げたい
他の塗料に比べて初期費用は高くなるものの、暑さ・寒さ対策や耐用年数の長さなど付加価値の高い塗料を使用したい人におすすめです。
ガイナを使用したお客様の声を紹介します。
屋根にガイナを塗装した結果、夏場でも2階で寝られるようになりました。
看板犬のいる事務所の内装にガイナ内装用を塗装した結果、犬のにおいがほとんど感じられなくなりました。
上階でスプーンやボールを落としたり、CDで音楽を流したりして調査した結果、ガイナ塗装前よりも8デシベルほど騒音計の数値が下がりました。
ガイナが向いていない家とは
以下のような条件の家は、ガイナの塗装に向いていないと言えます。
- 日当たりが悪い
- 日があまり当たらない家の場合、ガイナの持つ断熱・遮熱の効果を感じにくいでしょう。
- 断熱材が古い・ない、もしくは断熱性能の高い断熱材を使用している
- ガイナはあくまで塗料のため、断熱材の代わりにはなりません。
外壁自体に断熱材があるかどうか確認した上で、ガイナの塗装を検討しましょう。
また、すでに断熱性能の高い断熱材で対策を講じている場合も、データ上では効果が測定できてもガイナの効果を実感しにくいです。
- 窓が多い
- 窓からも熱の出入りがあるため、窓の多い家では遮光・断熱カーテンを使用しないとガイナの効果が発揮されません。
- ガイナの塗る面積が大きい
- 外壁の面積が大きいと日光の当たる面積が大きく、ガイナの性能ではカバーしきれないことがあります。
大きな家で断熱効果を求める場合は、断熱リフォームの検討をおすすめします。
- 豪雪地帯や騒音のひどい場所に建っている
- ガイナの塗装面はザラザラしているため、屋根などに積もった雪が落ちにくいです。さらに、屋内の熱を外へ出さないため、積もった雪が溶けにくくなります。
また、幹線道路や高速道路など、交通量の多い場所に建っている建物の場合、エンジンやクラクションの音はガイナだけでは防ぎきれず、効果を実感しにくいでしょう。
ガイナを使う時の注意点
外壁塗装にガイナを使う時は、以下の点に注意しましょう。
- 効果の実感度合いは人それぞれ
- 塗料の中では抜群の断熱・遮熱性能を誇るガイナですが、実際に施工したことによる効果の実感度合いは人によってさまざまです。
「涼しくなった・暖かくなった」「静かになった」などの体感は、立地条件や建物の構造などで大きく変わるため、「ガイナを塗ったから絶対大丈夫」というような過度な期待はしないようにしましょう。
- 抗菌タイプがおすすめ
- ガイナは多くの機能を持つ塗料ですが、防汚性や抗菌性はありません。
「日当たりの悪い面がある」「隣家との距離が近い」など、カビや藻が発生する可能性が高い場合は、ガイナの抗菌タイプを使用すると美しい外観が保てます。
- 仕上がり具合を念頭に入れておく
- ガイナはツヤがなく、表面が凸凹する塗料です。
塗装した後の仕上がり具合がどのような状態になるか、業者と相談しながら事前に確認しておきましょう。
- 職人の能力に左右される
- 一般的に塗りやすいとされる水性塗料ですが、ガイナはセラミックビーズを含んだ水性塗料のため「ボテッ」としていて塗りにくく、きれいに仕上がるかどうかは職人の腕にかかっています。
ガイナを使う時は、実績のある業者に依頼すると安心です。
- 補助金や助成金も検討する
- ガイナに限ったことではありませんが、自治体によっては高断熱塗料や高遮熱塗料を使用した外壁塗装の実施に対して補助金や助成金が出ます。
施工前に補助金や助成金の申請をする必要があることが多いため、お住まいの自治体ホームページなどで事前に調べることをおすすめします。