外壁塗装防カビ塗料について詳しく解説しています。

外壁にカビが生えている!
カビを防ぐ塗料があるの?

外壁にカビが生えている!カビを防ぐ塗料があるの?

カビの発生を防ぐ防カビ塗料は、他の塗料と一体何が違うのか、詳しく解説します。

外壁にできたカビを放っておくとどうなるのか、そもそもなぜカビが生えるのかなど、カビについてまとめた上で、防カビ塗料の費用相場や選び方、使う時の注意点について紹介しています。

防カビ塗料とは?他の塗料と何が違う?

防カビ塗料とは?他の塗料と何が違う?

「防カビ塗料」とは文字通り「カビの発生を防ぐ塗料」で、塗料にカビを防ぐ防カビ剤や抗菌剤が添加されています。

外壁用・内壁用ともに販売されており、外壁用には一般的に「防藻剤」も含まれています。

これってカビ?コケ?藻?
カビはコケや藻などと混同されることがありますが、以下のような違いがあります。
カビ コケ
白、黒、赤、黄など緑系統以外の色 緑系 緑系
不要 種類によって異なる 必要
水分 60%以上の湿度が必要 必要 必要

カビは日光を必要としないため、日の当たらない外壁に発生します。

防カビ塗料の定義

JIS(日本産業規格)では3〜5種類のカビに対して有効であれば「防カビ剤」として表示することを認めています。

しかし、黒カビや赤カビなど色の付くカビは80,000種類以上あるとされ、その中で外壁など建物から検出されることの多いカビは57種類もあると言われています。

最近では一般的な塗料にも防カビ性能が備わったものがありますが、カビの発生しやすい立地・条件の外壁では、できるだけ多くの種類のカビに対応する防カビ塗料を使用した方が、カビの発生を抑えられます。

外壁用の防カビ塗料には上記57種類以上のカビに有効かつ強力な製品が販売されているため、「何種類のカビに対応しているのか」事前に確認しましょう。

防カビ塗料は2種類ある

防カビ塗料は、「直接外壁に塗るタイプ」と「添加剤として後から塗料に加えるタイプ」の2種類に分けられます。

それぞれ、以下のような特徴があります。

種類 特徴 代表的な塗料
直接外壁に塗るタイプ
  • 内装にも使用できる
  • 耐用年数が5~7年と短めのため、こまめなメンテナンスが必要
エスケー化研
「バイオタイト#10」
添加剤として後から塗料に加えるタイプ
  • 対応するカビの種類が多い
  • 耐用年数は混ぜる塗料に左右される
アステックペイント
「アステックプラスシリーズ

なお、添加剤タイプはさらに水性塗料用と油性塗料用にわかれます。使用する場合は、混ぜる塗料との組み合わせに注意が必要です。

外壁のカビを放っておくとどうなる?

外壁のカビを放っておくとどうなる?

外壁にカビを見つけたら、できる限り早く取り除きましょう。

「ほんの少しだから大丈夫」「そのうち暇になったら掃除しよう」などと放っておくと、以下のような事態を招くリスクがあります。

①美観を損ねる

どんなにオシャレな建物でも、外壁がカビで黒ずんでいたら台無しです。

カビは立地条件によっては新築の建物にも比較的早く発生し、建物に古い印象を与えてしまいます。

カビは生えてしまうとどんどん広がっていくため、早めの対策が必要です。

また、カビや汚れを放置していると「家の管理ができない人が住んでいる」と思われ、空き巣に狙われるなど防犯上もリスクが高まります。

②建物の劣化を招く

外壁に発生するカビは、「塗膜劣化のサイン」と言えます。

塗料の塗膜が劣化し、防水機能が低下しているためカビが発生していると考えられるからです。

カビは発生から時間が経つにつれ、内部へと根を張っていきます。

防水機能や防汚機能など塗膜の機能劣化に加え、内部の根によって建材まで雨水が染み込み、雨漏りや建材の腐食を招く恐れがあります。

特に建材の腐食はそのまま建物自体の耐久性に大きく影響し、外壁の張り替えや建物自体の建て替えなど大きな被害をもたらすことがあります。

③人体に影響を及ぼす

カビは、アレルギーの原因物質のひとつです。

発生したカビは、繁殖するために「胞子」を飛ばします。この胞子を長期間吸い続けると、シックハウス症候群などのアレルギー症状を引き起こすと言われています。

人によって症状や程度は異なるものの、多くは咳や鼻水、皮膚のかゆみなどを感じ、もともとアレルギー症状のある人の場合は重症化するリスクがあります。

カビを除去する方法について詳しくは、こちらをご覧ください。

外壁にカビがあったら危険信号!放置すると怖いことに…

外壁にカビが生える理由

主に以下の2つの原因によって、外壁にカビが発生します。

①建物の立地、環境

カビは、最低5℃以上の気温と、60%以上の湿度があればどこでも繁殖します。

その範囲内でもっとも繁殖しやすいのは、以下の条件を満たす時です。

  • 気温20~30℃前後
  • 湿度70~80%以上
  • ホコリや汚れなどのカビにとっての養分が豊富にある

これらを満たす立地や環境の場合、外壁にカビが発生しやすいと言えます。

具体的には、以下のような場所です。

  • 田んぼや川、湖など水辺に近い立地
  • 日が当たらず湿気がたまりやすい環境
  • 密集地や隣家との距離が近く風通しの悪い場所

また、近隣に植物が多いと、植物に付着したカビの胞子が風で飛ばされて外壁に付くこともあります。

②外壁の劣化

外壁にひびが入っている、チョーキングが起きている、など外壁が劣化している場合、多くは塗料の機能も落ちています。

そのため水分や汚れが外壁に残りやすく、それらを栄養源としてカビが発生することがあります。

表面に凸凹のある意匠性の高い外壁では、塗料が劣化していなくても水分や汚れが溜まりやすいので注意しましょう。

また、窓枠のサッシまわりやサイディングの目地に施されたコーキングの劣化によってもカビが発生します。

防カビ塗料は比較的安い?費用相場

実は、防カビ塗料は使用してもそんなに高額にはなりません。

外壁塗装全体の見積もり金額に対してプラス4万円程度、2階建ての建物でおよそ80~150万円と言われています。

もちろん、高価な防カビ塗料を使用して、基本の塗料に高価格帯のものを使用していれば全体の金額は上がります。

しかし、全体の見積もり金額の上昇額を4万円程度に抑えられるのであれば、前項で紹介したような立地・環境にある建物の場合は防カビ塗料の使用をおすすめします。

なお、既にカビが生えている建物に外壁塗装を施す場合は、一度カビを除去する必要があります。

カビの除去には薬剤を使用する「バイオ洗浄」を行います。バイオ洗浄では薬剤の塗布前後で2回水道水を使用するため、通常の高圧洗浄よりも水道代が上がります。

水道代の目安は2,000円~4,000円程度です。

防カビ塗料の選び方

防カビ塗料を選ぶときは、以下の2点に注意しましょう。

①対応しているカビの種類が多いものを選ぶ

「防カビ塗料とは?他の塗料と何が違う?」でご紹介した通り、JISでは3〜5種類のカビに対して有効であれば「防カビ剤」と認定しています。

しかし、実際に外壁から検出されるカビの種類は主だったものでも57種類あると言われています。

どのようなカビが外壁に発生するのか予測するのは難しいため、できるだけ対応しているカビの種類が多い防カビ塗料がおすすめです。

防カビ塗料には「直接塗布するタイプ」と「一般塗料に後から添加するタイプ」がありますが、添加型の方が対応できるカビの種類は多いです。

代表的な塗料として、アステックペイント「アステック・プラスSW」が挙げられます。

対応するカビの種類は約1,000種類、さらに約200種類の藻類にも対応し、全対応菌数は約2,000種類にも及びます。

②外壁の状態に合わせて選ぶ

外壁にカビがまったくない状態なのか、既に発生しているのか、外壁材の内部まで浸透していることが想定されるほど放置した状態なのかなど、外壁の状態に合わせて選びましょう。

カビが内部まで根を張っている場合は、防カビ塗料ではなく外壁材そのものの交換が必要になるケースもあります。

また、防カビ塗料にはそれぞれ使用できる外壁材が決まっているため、事前にしっかり確認しましょう。

防カビ塗料の耐用年数は?

直接外壁に塗るタイプの場合、耐用年数は5〜7年と言われています。

一方、添加型の場合は添加元の塗料の耐用年数に左右されます。外壁塗装の現在の主流であるシリコン塗料に添加する場合は7〜13年、フッ素系塗料であれば15〜18年など、ベースになる塗料の耐用年数を参考にしましょう。

防カビ塗料を使う時はここに注意!

カビに悩む建物の救世主のような防カビ塗料ですが、使用にあたっては注意すべきポイントがあります。

以下の3点を理解した上で、防カビ塗料を検討しましょう。

①カビを根絶できるわけではない

「防カビ塗料を使えば、もうカビは生えてこない!」というわけではありません。

前述の通り、カビには数万の種類があり、使用した防カビ塗料が対応していないカビが発生する可能性があります。

また対応しているカビであっても、カビ自体が耐性をもってしまうことも考えられます。

防カビ塗料だけに頼るのではなく、風通しを良くする、こまめに除去するなどの対策を行いましょう。

②既存のカビの除去はできない

一般的な防カビ塗料は、すでに発生しているカビに対して殺菌効果はありません。

カビの上から防カビ塗料を塗っても、もともとのカビを除去できるわけではないため注意してください。

注意!

「とりあえず見えなくなればいい」と既存のカビを除去せずに塗料を塗ってしまうと、塗料の内側でカビがどんどん繁殖し、建材の腐食などを招きます。

必ず、バイオ洗浄などで既存のカビを一掃してから防カビ塗料を塗布しましょう。

なお、現在では「カビの上から塗れる防カビ塗料」も一部販売されています。

③塗料の耐久性には影響を与えない

防カビ塗料は対応するカビの種類が多い「添加剤として後から塗料に加えるタイプ」が主流です。

あくまで「防カビ性能を添加」する形のため、「防カビ塗料を使っているから耐久性が高くなる」ことはありません。

耐用年数の短い塗料に添加すれば、短いままです。

防カビ性能を長く保ちたい場合は、耐用年数の長い上塗り塗料を選びましょう。

ちなみに、防カビ性能が塗料に既に含まれている「直接外壁に塗るタイプ」の耐用年数は5〜7年と短めです。

防カビ塗料は、ベースの塗料との相性や使用できる外壁材が決まっています。

しっかりカビを除去・抑制したい場合は、上記注意点と合わせて業者に依頼することをおすすめします。

ケントリファイン

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