外壁の汚れはカビだった!?速やかに除去する方法と予防法
「外壁が汚れていると思っていたら、実はカビだった」というケースは多いです。
カビはコケや藻と同様、外壁の美観を損ねるだけでなく、放置するといろいろなリスクがあります。
ここではカビ・コケ・藻の見分け方やカビができる原因、放置するリスクなどについて詳しく解説します。
自分でできる除去方法や予防法もまとめました。
カビ・コケ・藻の違いと見分け方
カビやコケ・藻は、どれも外壁の美観を損ねてしまいます。
似たような見た目ですが、どのような違いがあるのかカビ・コケ・藻の特徴をまとめました。
カビ・コケ・藻の特徴
カビ | コケ | 藻 | |
---|---|---|---|
種類 | 真菌類 | 蘚苔(せんたい)類 | 地衣類 |
色 | 白、黒、赤、黄など緑系統以外の色 | 緑系 | 緑系 |
育つ場所 | 湿気のある場所 | 種類によって異なるが、多くは地表面に近い場所 | 湿気のある場所 |
光 | 不要 | 種類によって異なる | 必要 |
水分 | 60%以上の湿度が必要 | 必要 | 必要 |
栄養の取り方 | 外壁の汚れや塗料の有機物 | 光合成 | 光合成 |
それぞれの特徴から、「可能性の高い見分け方」は以下のように考えられます。
- カビ→日光がまったく当たらない
- コケ→地表面に近い(地上高30cm程度まで)
- 藻→日光が少しでも当たる
種類によって発生条件は異なるため必ずしも上記の通りとは言えませんが、可能性は高いと言えます。
外壁にカビができる原因って?
カビやコケ・藻は、胞子を飛ばして繁殖します。
中でもカビは胞子を飛散させる季節を選ばないため、常に空気中に存在しています。
繁殖しやすい湿度と栄養さえあれば、どこでも繁殖できると言えます。
外壁は垂直に立っていることが多く、一見水が溜まらないと思うかもしれません。しかし、表面に凸凹のあるデザインやヒビなど、雨水の残りやすい外壁であれば湿気が存在します。
さらに、外壁には雨や排気ガスなど空気中の汚れ、塗料に含まれる有機物などカビの栄養になるものがあります。
また、建物の近くに田んぼや川がある場合も湿気が多く、植物が多い場合は植物に付いたカビの胞子が風にのって外壁に付きやすくなると言えます。
これらにより、外壁にカビが発生するのです。
カビを放置するとどうなる?
外壁のカビを放置すると、見た目が悪いだけでなく以下のようなリスクがあります。
- アレルギーの原因になる
- カビの中には胞子を吸い込んだり皮膚についたりするとアレルギー反応を引き起こすものがあります。
アレルギーのほか、気管支炎などの病気になるリスクもあります。
- 外壁の劣化が進む
- 外壁にカビが発生しているということは塗膜が劣化しているサインであり、そのまま放置しているとカビの保水性によって外壁の劣化がより早く進んでしまいます。
- 完全に除去するのが難しくなる
- 外壁のカビはすぐに建物自体に大きな影響を与えるわけではありません。
しかし、放っておくと根を張ってしまい、完全に除去することが難しくなります。
外壁についたカビを取る方法
自分でできる方法
外壁に付いたカビを自分で除去する場合、以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 発生している範囲が狭い(およそ1m²以内)
- カビが発生してから日が浅い
- 低い場所にある
- 外壁に劣化症状がない
「いつできたかわからないほど古いカビ」や「外壁にヒビが入っている」など、1つでも条件を満たせない場合は業者に依頼しましょう。
自分で除去しても、完全には取り切れなかったり、ケガをしたりなどのリスクがあるからです。
なお、外壁に付いたカビを自分で取る時は、スポンジなどで軽く水洗いしましょう。ゴシゴシ擦ると塗膜を傷めてしまうため、優しく擦ります。
水洗いで落ちない時は、外壁専用のカビ取り洗剤を使用します。洗剤によって適応している外壁が異なるため、洗剤の注意書きを確認し、指定された方法で洗浄します。
風呂場用カビ取り剤や塩素系漂白剤は塗膜を傷めたり塗装の色が変色したりすることがあるのでおすすめしません。
また、家庭用高圧洗浄機はカビとともに塗装まで剥がしてしまうことがあります。塗装が剥がれると建材の劣化が進むため、こちらもあまりおすすめできません。
業者に依頼した方がよい場合
「カビが広範囲に広がっている」「手の届かない高い位置にカビが発生している」など、前項の自分で除去できる条件に当てはまらない場合は業者に依頼しましょう。
業者に依頼すると、「高圧洗浄」もしくは「バイオ洗浄」を行います。
- 高圧洗浄…軽度や初期のカビ
- 家庭用よりも強力な高圧洗浄機を使ってカビを除去します。
高圧洗浄は水道水を使用します。水道代は施主の負担になり、水道代の目安は1,000〜2,000円です。このほか作業費や、足場を設置した場合は足場代がかかります。
- バイオ洗浄…状態が進行しているカビ
- 高圧洗浄では落としきれないほどカビの状態が進行している場合は、バイオ洗浄を行います。
バイオ洗浄は、カビの除去に効果のある薬剤を使って高圧洗浄機で除去します。
バイオ洗浄にも水道水を使用し、水道代は施主負担です。薬剤塗布前後の2回、水道水を使用するため、水道代の目安は2,000~4,000円程度かかります。このほか高圧洗浄同様に作業費や、足場を設置した場合は足場代がかかります。
なお、バイオ洗浄をしてもカビを除去しきれないケースもあります。
その場合は外壁塗装を行うとキレイになります。
外壁にカビがつきにくくする予防方法とは
自分でできる方法
カビを予防するためには、カビのエサになる汚れをなくすことが効果的です。
- 定期的な清掃
- カビの発生しやすい場所を定期的に掃除し、カビのエサになる汚れを取り除きましょう。
水で流し、軽く擦り洗いしておくだけでカビがつきにくくなります。
- 外壁沿いに物を置かない
- 日当たりと風通しを良くするとカビを予防できます。
外壁に接する場所に置いている物置や鉢植えを動かし、風が通るように隙間を開けましょう。
- 定期的なメンテナンスを受ける
- 付帯部分の損傷や塗膜の劣化などが原因でカビが発生することもあります。
定期的にメンテナンスを受け、外壁に水分を溜めないようにしましょう。
業者に依頼した方がよい場合
手っ取り早く、かつ確実にカビを予防するには、業者に依頼する方がおすすめです。
業者に依頼してカビを予防するには、以下のような方法があります。
- 外壁塗装を行う
- 外壁塗装では、高圧洗浄により現在発生しているカビを除去し、修繕が必要な個所は補修をした上で塗装します。
防カビ機能のある塗料を使うと、塗装後のカビの発生を予防できます。
また艶あり塗料で塗装すると、外壁の水はけがよくなるため汚れがつきにくくなり、カビの発生予防に繋がります。
- カビが付きにくい外壁材に変更する
- ガルバリウム鋼板など金属製の外壁材は、表面に凹凸がないためカビがつきにくいです。
同様に、タイルを使った外壁もカビが発生しにくいです。
水辺や緑の多い地域に隣接している建物では、外壁のカビ予防は自分で行うよりも業者に依頼した方がより確実です。
自分でできる予防方法を試してもカビが繰り返し発生する場合は、業者に依頼することを検討してみましょう。