外壁塗装アクリル塗料について詳しく解説しています。

外壁塗装で使われる「アクリル塗料」と「ピュアアクリル塗料」の違いは?

「アクリル塗料」と「ピュアアクリル塗料」は価格も性能も異なる塗料です。

名前が似ているので、同じ塗料だと勘違いすると大変なことになってしまいます。

このページでは、アクリル塗料とピュアアクリル塗料の違い、それぞれのメリットデメリットについて詳しく解説します。

またアクリル塗料についての注意点やピュアアクリル塗料の種類についても紹介します。

アクリル塗料とピュアアクリル塗料の違いとは?

アクリル塗料とピュアアクリル塗料の違いとは?
アクリル塗料
いまから20年以上前に開発されたアクリル樹脂を主成分とする塗料です。
一昔前は主流だった安価な塗料ですが、耐久性が低いため塗り替えまでの期間が短く、現在は外壁塗装の塗料としてはほとんど使用されていません。
ピュアアクリル塗料
アクリル塗料から不純物を取り除き、アクリルの純度を高めた高性能な塗料です。
アクリル自体は、耐候性や防水性に優れた樹脂なのですが、これまでの技術ではアクリル樹脂を塗料にするのに不純物が入ってしまい、性能が著しく低下した塗料になっていました。
技術開発により、アクリルの優れた性能のみをいかした塗料として登場したのが「ピュアアクリル塗料」です。
アクリル塗料と違い、価格は高いのですが現在主流のシリコン塗料よりも長持ちします。

「ピュアアクリル塗料」は、従来の安価なアクリル塗料とは全く別の塗料と考えたほうがいいでしょう。

アクリル塗料とピュアアクリル塗料の比較

アクリル系塗料 ピュアアクリル塗料
特徴 外壁塗料の中で最も価格が低い
耐久性が低いため劣化が早い
耐候性、防水性が高い
価格が高い
塗料の価格帯 1,000〜1,400円/m² 3800〜4,500円/m²
30坪物件の塗装費 60万円〜 100万円〜
耐用年数 3〜6年 13〜15年程度
こんな人におすすめ
  • 塗料の性能よりも価格を重視
  • 数年で取り壊す予定がある
  • 数年ごとにカラーを変えたい
  • コストパフォーマンスに優れた塗料を使いたい
  • 防水性を重視

アクリル塗料とピュアアクリル塗料のメリット・デメリット

アクリル塗料のメリット・デメリット

価格が安い
一番のメリットは価格の安さ。外壁塗装の中でもダントツの安さ
短期間で家を売却する、数年で取り壊す予定があるといった場合はメリットに
カラーバリエーションが豊富
昔からある塗料のため、各メーカーからさまざまな種類の塗料が販売されている
扱いやすい
混合・希釈・撹拌しないでいい製品が多く、素人でも比較的簡単に扱うことができるためDIYで多く使われているのもアクリル塗料です。
紫外線に弱い
塗膜の光沢が失われ、変色や褪色などの劣化が数年で起こる
ひび割れが起きやすい
一般的なアクリル塗料には、塗料を柔らかくするための可塑剤が含まれています。
可塑剤は紫外線によって3〜5年で徐々に失われ、ひび割れ(クラック)の原因になる
塗り替えまでの期間が短い
耐用年数が他の塗料と比べて短いため、頻繁に塗り替える必要が出てくる
塗料自体の価格は安くても塗り替え費用がかかるため長い目で見ると高くつく

ピュアアクリル塗料のメリット・デメリット

耐久性(耐用年数)が高い
フッ素塗料と同程度の約15年という高い耐久性を持っています。
防水性が高い
シリコン塗料やフッ素塗料などの一般的な塗料は、塗装後に硬化するため地震の揺れや湿度、温度の変化による伸縮に耐えられなくなるとひび割れを起こします。
ピュアアクリル塗料は弾力性が高いためひび割れが起こりにくい
ひび割れは雨などが入り込んで雨漏りや建物自体の劣化に繋がるため、防水性の高さにつながる
価格が高い
フッ素と同程度の耐久性があるため費用も高くなります。
しかし耐久性が優れている分、塗り替え期間が長くなり、長期的に見ると高い塗料ともいえません。
汚れやすく膨れが起きる
弾力性が高いため、粘着性のあるゴム素材のように汚れやすいというデメリットがあります。
また弾性があることで、膨れという現象が起きやすくなります。
メリット デメリット
アクリル塗料
  • 価格が安い
  • カラーバリエーションが豊富
  • 扱いやすい
  • 紫外線に弱い
  • ひび割れが起きやすい
  • 塗り替えまでの期間が短い
ピュアアクリル塗料
  • 耐久性(耐用年数)が高い
  • 防水性が高い
  • 価格が高い
  • 汚れやすく膨れが起きる

アクリル塗料の注意点

アクリル塗料の注意点

アクリル塗料は先にも書いた通り一昔前は主流の塗料でしたが、現在は外壁塗装にはほとんど使われていません。

しかし安い工事費を売りにするために安価なアクリル塗料を勧めてくる業者も存在します。また一般的なシリコン塗料の金額を請求しながら、実際はアクリル塗料で外壁塗装をして差額を設けるといった悪徳業者もいるので、見積りの塗料名をしっかりチェックし、実際に使われている塗料とあっているかも確認しましょう。

アクリル塗料を使うケース

アクリル塗料は、絶対に使われないというわけではありません。

外壁塗装以外に

  • 付帯部の木部
  • 家具
  • 店舗などの室内の壁

などで使われることがあります。

また解体予定のある建物など外壁を長持ちさせる必要がない場合では、費用削減のために使われることもあります。

「アクリル」という名前がついている塗料

アクリルシリコン塗料
名称に「アクリル」と入っていますが、シリコン塗料に該当する塗料です。
弾性アクリル塗料
アクリル塗料の塗膜が硬くなるデメリットを改善し、ゴムのような伸縮性のある性質が付加された塗料です。
塗膜に伸縮性が生じることでひび割れを抑える効果が期待できますが、耐候性や耐久性は通常のアクリル塗料と変わりません。

ピュアアクリル塗料の種類

EC-5000PCM
標準的なピュアアクリル塗料
耐久性、耐候性、防水性に優れている塗料です。
EC-5000PCM-IR
標準仕様のEC-5000PCMに高い遮熱効果が付加された、高い機能性をもつ塗料です。
EC-100CM
耐久性、耐候性、遮熱性に優れており、主に工場や倉庫の屋根用塗料として使われます。
ケントリファイン

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