外壁塗装で使われているシリコン塗料について詳しく解説しています。

人気の秘密を解説!
シリコン塗料が向いている人とは

外壁塗装用の塗料には多くの種類がありますが、現在の一番人気はシリコン系塗料です。

そもそも、シリコン系塗料とはどんな塗料なのでしょうか。

ここでは、シリコン系塗料のメリット・デメリットや費用相場、どんな人におすすめなのかを合わせて解説し、シリコン系塗料の人気の秘密を紹介します!

シリコン系塗料ってどんな塗料?

シリコン系塗料ってどんな塗料?

塗料は主に、「顔料」「添加剤」「合成樹脂」「溶剤」の4つの成分からできています。

この成分のうち、合成樹脂に何が使われているかによって塗料の種類が異なり、シリコン系の樹脂が使われている塗料を「シリコン系塗料」もしくは「シリコン塗料」と呼びます。

シリコン樹脂は、「汚れにくく紫外線に強い」特長があります。

なお、住宅用に使われる塗料は、主に以下の4種類です。

  • アクリル系塗料
  • ウレタン系塗料
  • シリコン系塗料
  • フッ素系塗料

以前はアクリル系塗料やウレタン系塗料が多く使われていましたが、現在ではシリコン系塗料が主流です。

シリコン系塗料はどうして人気なの?

シリコン系塗料は汚れにくく、塗膜の劣化原因である紫外線に強いという特長から、アクリル系塗料やウレタン系塗料よりも耐用年数が長くなっています。

それでいて、価格はアクリル・ウレタン系塗料よりも多少高い程度、とコストパフォーマンスに優れているため、とても人気があります。

しかし、圧倒的なコスパの高さ以外にも、多くのメリットがあります。

シリコン系塗料のメリット・デメリット

シリコン系塗料のメリット

コストパフォーマンスの高さ
なんといっても一番のメリットは、やはりコストパフォーマンスの高さです。
他の塗料との比較は次項で解説しますが、比較的安価でありながら耐用年数が8〜15年と長く、耐熱性にも優れています。
汚れにくい
シリコン塗料は塗膜が固く、低電圧性のため汚れを寄せ付けない性質があります。
そのため汚れにくく、美しい外観を保てます。
また、シリコン塗料の中には親水性が高く、塗膜の上に付いた汚れを雨で洗い流してくれる「セルフクリーニング機能」を持つものもあります。
光沢を長く保てる
シリコン塗料は光沢(ツヤ)のある仕上がりになるものがほとんどで、前項の「汚れにくい」性能により光沢が長く保たれます。
シリコン塗料の光沢保持率は、それまで主流だったウレタン塗料よりも2割程度高かったという実験結果があります(慧文社発行「外壁塗り替え塗装入門」より)。
圧倒的な種類の多さ
シリコン塗料は人気があり現在主流のため、各メーカーからとてもたくさんの種類が販売されています。
カラーや価格帯だけでなく、性能もいろいろなものがあるため、希望通りの塗料が見つかる可能性が高いです。

シリコン系塗料のデメリット

耐久性は高くない
現在はフッ素塗料や無機塗料など、非常に耐久性の高い塗料が販売されています。
それらと比較すると、耐久性は高くありません。
ただし、フッ素塗料や無機塗料は価格も高めです。
重ね塗りには向いていない
シリコン塗料の塗膜は固く、付着力が弱いため重ね塗りには向いていません。
塗り替えなどで重ね塗りを行う場合は、適したシーラーやフィラーを使用する必要があります。
そのため、実績の豊富な業者に依頼するようにしましょう。
DIYでは使えない
前項で紹介した通り、シリコン塗料は付着力が弱く、経験のない素人がDIYで使用するには難しい塗料です。
一部のみの塗布などの補修作業でもおすすめできません。
種類が多すぎて迷ってしまう
シリコン塗料は現在主流である分販売されている種類が多く、カラー・価格・機能性などどれを選べばいいのかわからず迷ってしまう方もいます。
塗料に求める条件の優先順位を決めてから、探し始めるといいですね。

シリコン系塗料の相場と耐用年数

シリコン系塗料の相場と耐用年数

ここでは、シリコン系塗料の坪数別平均相場をご紹介します。

坪数 施工価格の相場
~10坪 ~29万円
11~20坪 31.9~58万円
21~40坪 60.9~116万円
41~80坪 118.9~232万円
81~100坪 234.9~290万円
101坪以上 292.9万円~

※計算条件:一般的な2階建て戸建て住宅、外壁のみ施工した場合(足場設置・下地処理・養生など含む)

塗る面積が広くなるほど塗料を多く使うため、面積によって外壁塗装の相場は変動します。

また、耐用年数が長いほど塗替えの回数は少なくなり、メンテナンスコストが下がります。

一般的に外壁塗装に使用される塗料の耐用年数一覧表(目安)を作成しました。

塗料の種類 耐用年数
アクリル系塗料 4~7年
ウレタン系塗料 6~10年
シリコン系塗料 8~15年
ラジカル系塗料 8~15年
光触媒塗料 10~15年
ピュアアクリル塗料 12~15年
フッ素系塗料 15~20年
無機系塗料 15~20年

各塗料について、詳しくはこちらをご覧ください。

初めてでもすぐわかる!外壁塗装の塗料の種類・グレード・選び方

代表的なシリコン系塗料

シリコン系塗料は多くのメーカーから販売されています。

ここでは代表的なシリコン系塗料と相場、耐用年数を一覧表にしました。

製品名 メーカー 相場(m²あたり) 耐用年数
ファインシリコンフレッシュ 日本ペイント 3,500円前後 10~12年
セラMシリコン2 関西ペイント 2,800円前後 8~15年
クリーンマイルドシリコン エスケー化研 2,500~3,000円 12~15年

こんな方はシリコン系塗料がおすすめ

シリコン系塗料は、以下のような方におすすめです。

コストパフォーマンス重視の方
「外壁塗装自体にあまりお金をかけたくないけれど、費用対効果の高い塗料を選びたい」方は、シリコン系塗料がおすすめです。
それまで主流だったウレタン系塗料よりは高くなりますが、他の機能性塗料よりも安く済みます。
耐用年数は10年前後と平均的ですが、防汚性が高いため、きれいな外観を長く保てます。
何を選べばいいかわからない方
塗料の種類はとても多く、「どのメーカーの何を選んだらいいのかわからない」方もいるかもしれません。
その場合は、現在主流の塗料であるシリコン系塗料を選ぶと安心です。
シリコン系塗料だけでも色の微妙な違いやツヤの有無、付加機能など、さまざまな種類があります。塗料に求めることに優先順位をつけて、前項で紹介したような大手メーカーのものを選ぶと失敗が少ないでしょう。

外壁塗装でシリコン系塗料を使う時の注意点

外壁塗装でシリコン系塗料を使う時は、以下の点に注意しましょう。

シリコン含有量に注意
塗料にシリコンがどれくらい含まれているかを示す「シリコン含有量」。
一般的に、シリコン含有量が多いほど性能も価格も高いです。
安い塗料の場合、シリコン含有量が少なく、防汚性などの性能が落ちるほか耐用年数も短くなります。
シリコンの含有量に規定はなく、メーカーも情報を記載していないことが多いため、無名のメーカーが販売しているシリコン塗料や安価な塗料ではなく、大手メーカーのものを選びましょう。
大手メーカーが販売しているシリコン系塗料のシリコン含有率は、45〜65%のものが多いです。
機能性シリコン塗料にするか
シリコン系塗料の中には、「ラジカル制御型」という機能が付加されたものもあります。
「ラジカル」とは「外壁の劣化を進めてしまう成分」で、ラジカル制御型シリコン塗料はラジカルの発生を抑制してくれます。
価格は一般的なシリコン系塗料よりも多少高くなりますが、耐用年数が長く設定されています。
このような機能性シリコン塗料を検討することも可能です。

ラジカル塗料について、詳しくはこちらをご覧ください。

ラジカル塗料ってどんな塗料?
水性か溶剤系か
シリコン系塗料には、水性と溶剤系があります。
  • 水性は、シンナーなどの有機溶剤を使わない塗料のためニオイが少なく、現在の主流です。
  • 溶剤系は、刺激臭は強いですが耐久性が高くなります。

妊婦や赤ちゃん・小さな子供、喘息の方、ペットがいる場合は、水性を選ぶと影響が少なくて済みます。

ケントリファイン

関連記事

ページのトップへ