外壁塗装前にしておくべき準備とは?ポイントを詳しく解説
外壁塗装工事では、工事の騒音や塗料の臭い、塗料や高圧洗浄の水の飛散などが起こりえます。
こうしたことがトラブルに発展するのを回避するために大切なのが塗装工事前の準備です。
この記事では、
- 自宅に関する準備
- 事前に必要な連絡
について詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
自分の家に関する事
外壁周辺の片づけ
外壁塗装工事は、足場を組んで塗装作業を行います。足場は通常、外壁から1m以内の範囲内に組み立てるため、このエリアにものが置かれていると足場が設置できません。足場をスムーズに組めるよう、外壁周辺の片付けをしておく必要があります。
移動できるもの
- 自転車
- 植木鉢
- テーブル、椅子
- 置物
- ホース、散水機
- ゴミ箱
- 子どものおもちゃやペットのアイテム など
これらは工事前に必ず移動しておきましょう。
移動に注意が必要なもの
- 植木などの植物
-
外壁付近に植えられている植物は移動がむずかしいため、一般的には布やビニールで養生します。しかし養生をしていても変色したり枯れたりすることがあるため、一時的に鉢に移し替えるなどの対策が必要な場合もあります。
- 室外機
-
室外機は基本的に業者が養生をするか、必要に応じて移動します。室外機の上に植木鉢などを置いている場合は、移動しておきましょう。
工事当日に移動すると時間がかかり、作業工程が伸びて費用に影響が出る可能性があります。工事前の現場調査や契約時に、実際に足場を設置する位置や、移動が必要なものを確認しておきましょう。
物置の中の必要なものを家へ移動
自宅の敷地内にある物置は移動したほうがいいのでしょうか。
物置の移動が必要なケース
- 外壁に接している
- 足場の設置の際に妨げになる
移動させなくてもいいケース
- 外壁との間に隙間がある(10〜20cm程度)
- 足場から1m以上離れている
※外壁との間に隙間があっても足場の位置の関係で移動が必要になる場合もあります。事前に移動の必要があるかどうかを確認しておきましょう
物置を移動する必要がある場合は、移動しやすくするために中のものを家へ移しておく必要があります。
また物置を移動させなくていい場合でも、足場の位置の関係で物置の扉が開けづらくなったり、作業中に職人が行き交ったりするなど、中の物が取り出しにくくなることがあります。
物置に普段使うものや、季節で使うものが置いてある場合は事前に家の中に移動しておくのを忘れないようにしましょう。
洗濯物を干す場所を準備
外壁塗装工事が始まると洗濯物を外に干すことはできないため、室内干しで対応する必要があります。
家にサンルームやランドリールームがあれば問題ありませんが、そうでなければ工事前に部屋干しできるスペースを確保しておきましょう。
部屋干しスペースが確保できない場合
近所に利用できるコインランドリーを見つけておきましょう。
部屋干しのポイント
- サーキュレーターを使って部屋の空気を流動させる
- 部屋干し用の洗濯洗剤を使用する
家族が多いと毎日の洗濯物の量も多くなります。また天気が悪いと部屋干しでも乾きにくくなります。その場合は
- 浴室乾燥機や洗濯機の乾燥機能(設備、機能がある場合)
- 近所のコインランドリー
を併用するなどして対応するといいでしょう。
洗濯物を干す場所を準備
戸建ての場合、外壁近くに駐車スペースがある家が多いと思います。外壁塗装工事では、車があると足場の設置や撤去の際に邪魔になったり、車に塗料が付着したりする可能性があるため、作業中は移動しておく必要があります。
工事期間中は
- 近くのコインパーキング
- 短期間で借りられる月極駐車場
などに車の移動場所を確保しておきましょう。
駐車スペースが外壁から少し離れている場合は、車を移動させずにシートで養生して工事を行う場合もあります。その際も
- 絶対に塗料をつけられたくない
- 工事期間中も車を頻繁に使う予定がある
といった場合は移動場所の確保が必要です。
外壁からどの程度離れていたら移動する必要があるのかなど車に関する対応は業者によって異なるため
- 普段、駐車しているスペースが工事の妨げにならないか
- 汚れたり傷ついたりする可能性があるかどうか
を事前に確認しておきましょう。
塗装前の家の状態を撮影
塗装工事を行う前に、現状の外壁の状態を撮影しておくことも重要です。
色の違いの確認はもちろんですが、塗り残しなど問題があった場合に、写真で確認できれば直してもらえる可能性が高くなります。
また工事で欠陥があった場合には証拠にもなるので忘れずに撮影しましょう。
撮影のポイント
- 全体の写真だけでなく、できるだけ細かい箇所も撮影
- 塗り替え箇所を撮影
-
塗り残しがないかを確認する
- 傷みの激しい箇所を撮影
-
補修されているかを確認する
- 家のまわりのもの(移動できないもの)を撮影
-
傷がついていないかを確認する
業者の方でも撮影していますが、記録のためなので必ずしも上記のポイントを押さえているとは限りません。
自身のスマートフォンカメラで十分なので、塗装工事前に必ず撮影しておきましょう。
必要な連絡
工事前にガス屋さんへ連絡
自宅のガスがプロパンガスの場合、工事の期間が決まったらガス屋さんに工事期間を連絡しましょう。
プロパンガスのガスボンベは外壁の横に設置されていることが多く、足場が組まれるとガスボンベの交換がむずかしくなります。
工事期間中にガスがなくなると、ガスボンベの交換ができずガスが使えなくなってしまいます。特に冬場は、お湯が使えなかったり、お風呂が沸かせなくなったりすると大変です。
ガス屋さんは、家庭ごとにガス交換が必要な時期に交換するため、工事期間を伝えることでガスがなくならないよう対応してもらえます。
- 工事中のガスの使用について
-
都市ガス、プロパンガスに関係なく、塗装作業中はガスが使用できません。
塗装作業中は、外壁に設置されている
- 給排気筒トップ
- 玄関ドアの通気口
- 風呂がまの給気口
- 屋外式給湯器
- 換気扇のウェーザーカバー
などに塗料が飛散するのを防ぐため、ビニールなどで養生します。
養生されている状態でガス機器を使用すると、家の中で熱やガスがこもって一酸化炭素中毒の原因になったり、ガス機器の故障の原因になったりする可能性があります。
しかし、お湯が使えなかったり食事の支度ができなかったりするのは不便ですよね。
ガスは工事期間中を通して使えないわけではなく、作業に響かない範囲で養生を外してもらうことは可能です。
ガスを使用したい場合は、職人に声をかければ対応してもらえます。勝手に使わずに必ず了承を得てから使用しましょう。
家族にも事前に徹底周知する
作業中にガスが使えないことを家族が知らないと
「部活から帰ってきた子どもが知らずにシャワーを使ってしまった」「同居の母親が知らずに料理を作り始めてしまった」などということが考えられます。
塗装工事が始まる前に、ガスの使用について同居の家族にも徹底周知しましょう。
壊れたら困る物を塗装業者に連絡
塗装工事前は、外壁近くのものを片付ける必要があることは先述しましたが、足場の搬入出や、作業の出入りなどもあるため、外壁から離れている場所にあるものも注意が必要です。
作業が始まると、職人は工期通りに作業を進めていきます。慌ただしい作業の中、敷地内にものが残っていると、ぶつかったり傷つけてしまったりする可能性があります。
「敷地内のものを壊されてしまった」という場合でも、ほとんどの業者は賠償責任保険に入っているため、保険で弁償してもらえます。
しかし、思い出のものだった場合、金銭的な弁償はされてもそのもの自体を元に戻すことはできません。大切なものかどうかは、業者で判断できないことも多々あります。敷地内に大切なものがある場合は、移動しておくか、移動できないものは事前に業者に伝えておきましょう。
近所への挨拶
外壁塗装工事中は、近隣に次のような迷惑をかけてしまう可能性があります。
- 足場の設置、撤去、工具使用時の騒音
- 塗料の飛散
- 高圧洗浄時の水の飛散
- 塗料の臭い など
近所トラブルを防ぐためにも、近所への挨拶は必須です。
挨拶の際は
- 塗装工事の日程
- 時間帯
を伝えましょう。近所への挨拶まわりを行ってくれる業者も多いので、心配な場合は一緒にまわってもらうといいでしょう。
また
- 近所付き合いをあまりしていない
- 近所付き合いで複雑なお宅がある
などでお悩みの場合は、業者だけで挨拶にいってくれることもあります。事情がわかっていると業者も対応がしやすいので、早めに相談しましょう。
隣家との距離によっては、車や洗濯物などに塗料や洗浄水が飛散する可能性もあります。
業者の判断で養生をさせてもらうこともあるので、工事期間が決まったらできるだけ早めに挨拶しておくと安心です。
工事代金の支払い
塗装工事費用の支払い方法は
- 工事完了後に一括払い
- ローンの利用
- 工事前と工事完了後の2回に分けて支払い
などが一般的です。
3の工事前に一部支払う場合は、入金が確認できないと工事に入れないため、工期に影響がでないよう期日までに支払うようにしましょう。
また工事前に全額支払いを要求してくる業者は信頼できない可能性があります。塗装工事費用は高額です。契約時に支払い金額はもちろん、支払い方法についてもしっかりチェックし、少しでも疑問や不安がある場合は、質問して解消してから契約を結ぶようにしましょう。