外壁塗装時の高圧洗浄について、疑問にお答えします!
外壁塗装はひんぱんに行う工事ではないため、日常生活における疑問や不安があると思います。
ここでは、外壁塗装の工程のひとつ「高圧洗浄」について、よくある質問にお答えします。
窓は開けられるのか、洗濯物は干せるのかなど日常的なものから、雨の日でも作業できるのか、音はうるさいのかなど作業に関するものまで、詳しく解説します。
高圧洗浄するときのよくある質問
洗浄中は窓を開けられる?
高圧洗浄中は、窓は開けられません。
大量の水を使い高い水圧で外壁を水洗いするため、ほんの数センチでも開けていると多量の水が室内に吹き込み、水浸しになってしまいます。
なお、汚れた水は外壁だけでなく窓にも付くため、窓も洗います。
スライド式の窓の場合は水圧で開いてしまうこともあります。必ずしっかり鍵をかけてください。
大きな窓だけでなく、階段やトイレなどの小さな窓も閉め忘れないようにしましょう。
壁に取り付けられた通風孔や換気口は業者が養生しますが、室内から閉められるタイプの場合は念のため閉めておくと安心です。
また、換気扇の切り忘れや家族がうっかり窓を開けてしまったという失敗談が多く聞かれます。
屋外と通じる開口部はすべて閉じ、外気を取り込まないようにすることと、家族に「窓を開けられないこと」をきちんと伝えておきましょう。
洗浄中は外に洗濯物を干せる?
高圧洗浄時は、洗濯物は外に干せません。
高い水圧で水を吹き付けて汚れを吹き飛ばす高圧洗浄は、思っているよりも広い範囲に水が飛び散ります。
部屋干し用の洗剤を使ったり、サーキュレーターを使用したりして、室内干しするようにしましょう。
なお、外壁塗装工事中は職人さんが足場を伝って移動するため、部屋の中が丸見えになります。気になる場合はカーテンを閉めておきましょう。
ただし、カーテンを閉めていると、室内干しの洗濯物は乾きにくくなります。洗濯機の乾燥機能や浴室乾燥、近隣にコインランドリーがあれば、それらを使うのも有効です。
高圧洗浄はどのくらい時間がかかる?
外壁塗装の高圧洗浄には、一般的な戸建てでおよそ3〜6時間ほどかかります。屋根の洗浄も同時に行う場合、さらに2〜3時間プラスされます。
これはあくまで洗浄にかかる時間で、ここから1〜2日程度かけて乾燥させます。
日中に作業を行うため、工程としては洗浄から乾燥まで1〜3日かかると考えておきましょう。
まれに「高圧洗浄の工程は乾燥まで含めて半日程度です」と説明する業者がいますが、この場合は手抜き工事の危険性があるため注意してください。
契約の仕方によっては契約を取り消す「クーリングオフ制度」が利用できることもあります。
悪質業者と契約してしまったと思ったら、クーリングオフ制度を検討してみましょう。もしもクーリングオフ制度が利用できなかった場合は、国民生活センターや消費者センターに連絡すると、無料で相談に乗ってくれます。
クーリングオフ制度について、詳しくはこちら
外壁塗装をクーリングオフしたい!条件と手続きをわかりやすく解説洗浄後の乾燥時間はどのくらい?
高圧洗浄を行った後は、最低でも24時間、一般的には48時間乾燥させます。
外壁が濡れた状態のまま新しい塗料を塗ると、塗膜に気泡ができて表面が膨れ、早期剥離に繋がります。
季節や天候にもよりますが、乾燥時間はしっかり取るようにしましょう。
乾燥させている間は工事が進まないため、乾燥時間を考慮したスケジュールを組むのもおすすめです。
どうしても外出して終日家を空けなければならない日や、近隣住民など在宅率の高い週末など、工事を進めたくない日に乾燥時間を当てるように塗装工事のスケジュールを組めないか、塗装業者に相談してみましょう。
天候によっては予定通りにいかないことも多いため、「うまくタイミングが合えばラッキー」程度の気持ちでいるといいですね。
なお、乾燥中に雨が降って外壁が濡れてしまった場合、天候が回復して外壁が完全に乾くまで作業は中止になります。
業者によってはその時間に他の工程の下準備をするケースがあるため、乾燥中の雨天時対応について気になる方は事前に確認しましょう。
雨の日でも高圧洗浄できる?
できます。
むしろ実は、雨の日は「高圧洗浄に向いている日」です。
高圧洗浄は高い水圧で汚れを吹き飛ばすため、汚れた水が周囲に飛び散ります。
近隣住宅に干してある洗濯物などを汚さないよう、飛散防止のためにシートで家の周囲を覆ったり、事前に洗濯物を外に干さないようにお願いしたり、近隣住宅と密接している場所の洗浄では水圧を下げたりして配慮しますが、絶対に近隣に汚れが飛ばないとは言い切れません。
しかし、雨の日は窓を閉めている家がほとんどで、洗濯物も外に干す家も多くありません。
そのため近隣住民に迷惑をかけることが少ないのです。
さらに、雨の程度にもよりますが、本降りの雨であれば飛び散った汚れを雨が流してくれます。
通常、サッシや窓に跳ねた汚れは拭き取ってキレイにします。しかし、雨が降っていればサッと水で流すだけで済みます。
また、汚れた水やゴミは最終的に排水口まで流す必要がありますが、その作業を雨が代わりに行ってくれるため、効率もUPします。
高圧洗浄のデメリットはあるのか
高圧洗浄は外壁塗装を行う上で必要な工程ですが、以下のようなデメリットもあります。
- 汚れが飛び散るリスクがある
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高圧洗浄によって吹き飛ばされた汚れが周囲に飛び散るリスクがあります。
飛散防止のために養生を行いますが、近隣住宅を絶対に汚さないとは言い切れません。- 業者が行う解決策
- 建物全体を飛散防止用シートで囲い、さらに高圧洗浄の日程を近隣に周知して洗濯物などを外に干さないよう依頼する。
- 大きな音がする
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業者が使用する高圧洗浄機は、強いパワーを持つエンジン式です。
そのため、稼働している間は大きな音がします。- 業者が行う解決策
- 高圧洗浄の日程を近隣に周知して、窓を閉める、外出するなどの対応を依頼する。
- 外壁を傷めるリスクがある
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高い水圧で噴射される水により、コーキング(シーリング)材や劣化した外壁を傷めてしまうリスクがあります。
また、建物のわずかな隙間に気付かず水を当ててしまうと、外壁材の腐食を招きます。- 業者が行う解決策
- 外壁の状態に合わせて適切な水圧で洗浄する。
このようなデメリットはありますが、リスクについては経験豊富な業者に依頼することで軽減できます。
また、優良業者であれば、事前に近隣住宅に説明に行くため、騒音トラブルも避けられます。
高圧洗浄の音って大きいの?
外壁塗装での高圧洗浄は、業者専用のエンジン式高圧洗浄機を使って行います。
そのため、機械の稼働音と水しぶきが壁に当たる音を騒音として感じる方も多いでしょう。
ただし、高圧洗浄自体は半日から1日程度で終了します。大きな音が出る時間も数時間のため、事前に高圧洗浄を行う日程と大きな音が出る旨を近隣の方々に周知しておくとトラブルを避けられます。
ちなみに、高圧洗浄で出る音がどれくらい大きな音かと言うと、大体60~80dB(デシベル)です。
これは、セミの鳴き声程度の大きさです。
近隣の方へ説明する時に、高圧洗浄を行う日付と時間に加え、「だいたいセミの鳴き声くらいの大きさです」と伝えるとわかりやすいかもしれません。
また、施主自身が騒音が気になる場合は、耳栓やイヤホンを使ってできるだけ外の音を聞こえないようにしたり、思い切って外出したりすることがおすすめです。
どうしても騒音を抑えてほしい日がある場合は、事前に塗装業者に相談してみましょう。希望日に騒音が出ない工程になるようにスケジュールを調整してもらえることがあります。
洗浄中に気を付けることは?
在宅・不在を問わず、外壁の高圧洗浄中は以下の点に注意してください。
- 窓やドアは施錠しておく
- 水圧によって、窓やドアが開いてしまうことがあります。特に、スライド式の窓は簡単に開いてしまうため、しっかり閉めて施錠しましょう。
- 換気扇や通風孔を閉じておく
- これらは外側から業者が養生しますが、万が一養生が不十分で水が入ってきたとしても、室内を水浸しにしないために必要な措置です。
トイレやお風呂場の小窓なども含め、外側と通じている部分は閉じておきます。 - 雨戸の鍵は開けておく
- 雨戸がある場合、先に窓を洗浄してから雨戸を閉めて雨戸も洗浄します。
雨戸の鍵が閉まっていると、内側の窓の洗浄ができません。 - 外壁の劣化状況を事前に確認する
- 大きなひび割れや塗膜の剥がれなど劣化症状が見られる場合には、高圧洗浄の前に補修する必要があります。そのまま水をかけてしまうと、中の外壁材の腐食や雨漏りなどを招きます。
高圧洗浄前に近隣への挨拶は必要?
優良業者であれば工事日程の説明と合わせてあいさつ回りを行いますが、施主自身も挨拶をしておきましょう。
高圧洗浄では1日程度ではありますが大きな音が出るうえ、近隣の方にも洗濯物を外に干さないように依頼することになります。
今後のお付き合いを考えると、事前に挨拶することをおすすめします。
なお、「近隣」とは、一般的に戸建ての場合「向こう三軒両隣」を指します。
自宅の左右両隣、ならびに道路を挟んだ向かい側3軒がその範囲ですが、高圧洗浄の挨拶の場合、音や飛沫の影響も考えて裏の3軒も含めた合計8軒に挨拶しておきましょう。
タイミングは業者と一緒でもいいですが、できればその前が一番好ましいです。事前に一報を入れておくと、近隣の方が業者に聞きたいことを質問しやすくなります。
また、挨拶時には500円〜1,000円程度の相手に負担を感じさせない粗品を持参するといいですね。石鹸やタオルなどの消耗品が定番ですが、地域指定のゴミ袋がある場合にはそれもとても喜ばれます。
高圧洗浄は自分でできる?
家庭用の高圧洗浄機を持っている方は多いと思いますが、以下のようなリスクがあるため、自分で外壁の高圧洗浄を行うのはやめておきましょう。
- 外壁を傷める
- 高圧洗浄機は高い水圧で水を噴射するため、圧力の調整をしっかり行わないと塗装が剥げることがあります。
また、塗膜のひび割れやコーキング部分の劣化などに気付かず水をかけてしまうと、中の外壁材が腐食し建物の耐久性が落ちてしまいます。
コンクリート壁の場合、コンクリート自体が削れてしまうケースもあります。
- 飛沫で周囲が汚れる
- 高圧洗浄は水圧で汚れを吹き飛ばすため、汚れた水が周囲に飛び散ります。
DIYでは業者のように広く養生するのは難しく、近隣住宅との距離によっては隣家の洗濯物や車、外壁などを汚してしまうリスクがあります。
- ケガをする
- 屋根付近や2階・3階など高所の高圧洗浄を自分で行うのは大変危険です。
自分で行う場合は脚立やハシゴに乗った状態で行うことが多いですが、これらは思っているよりも安定が悪く、水圧に負けて高所から落ちたり、不安定な足場で高圧洗浄機の取り扱いに失敗してけがをしたりする恐れがあります。
これらのリスクを回避するためには、プロである業者に依頼しましょう。
水圧の絶妙な調整や足場・飛散防止シートの設置など、しっかり対応してもらえます。