ウレタン系塗料は他の塗料となにが違う?おすすめなのはこんな人
外壁塗装で使われる塗料には、数多くの種類があります。
現在の主流はシリコン系塗料ですが、以前は主にウレタン系塗料が使われていました。
しかし、現在でもウレタン系塗料を外壁塗装に使うケースがあります。
ここでは、ウレタン系塗料とはどのようなものなのか、他の塗料との違いやメリット・デメリット、どんな場合にウレタン系塗料での塗装が向いているかなどを詳しく解説します。
ウレタン系塗料とは?費用と耐用年数を他塗料と比較しました
ウレタン系塗料とは、ウレタン系樹脂を主成分とする塗料のことです。
雨どいや鉄部、木製の外壁材・建材・家具などに主に使われています。
ウレタン塗料には水性と油性があり、油性はさらに1液型・2液型に分かれます。
水性 |
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油性・1液型 |
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油性・2液型 |
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ウレタン系塗料と他の一般的な塗料の特徴・耐用年数・施工単価を比較しました。
塗料の種類 | 特徴 | 耐用年数 | 施工単価(m²あたり) |
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アクリル塗料 |
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3~6年 | 1,500~2,000円 |
ウレタン塗料 |
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6~8年 | 1,700~2,500円 |
シリコン塗料 |
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7~10年 | 2,300~3,000円 |
フッ素塗料 |
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約15年 | 3,000~5,000円 |
無機塗料 |
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約15年 | 5,000~5,500円 |
各塗料にはそれぞれメリットやデメリットがあります。
次は、ウレタン系塗料のメリット・デメリットについて詳しく解説します。
塗料の種類や特徴、耐用年数などについて、詳しくはこちらをご覧ください。
初めてでもすぐわかる!外壁塗装の塗料の種類・グレード・選び方ウレタン系塗料のメリット・デメリット
ウレタン系塗料のメリット
- 高級感のある仕上がりになる
- 光沢があるため、ツヤが出て高級感のある仕上がりになります。
そのため、高級家具の仕上げに使われることも多いです。
- ひび割れしにくく扱いやすい
- 柔らかく弾力性の高い塗料のため職人さんが扱いやすく、作業性が高いと言えます。
硬化した後の塗膜も柔らかく、ヒビが入りやすい外壁に使われることが多いです。
また、弾力性があるため外壁がヒビ割れを起こしても、水の侵入を防ぎます。
- 塗料の種類が豊富
- 昔から使用されている塗料のため、色や付加価値など種類がとても豊富です。
ウレタン系塗料を使う場合、「使いたい色が見つからない」ことはほとんどないでしょう。
- 比較的安価
- 現在主流のシリコン系塗料の価格が2,500〜3,500円であることに比べ、ウレタン系塗料は2,000〜3,000円と安いことも魅力です。
外壁塗装は塗る面積が広く、使う塗料の量が多いため、500〜1,000円の違いでも全体では大きな金額差になります。
ウレタン系塗料のデメリット
- 紫外線の影響を受けやすい
- 紫外線によって黄色に変色することがあり、劣化が早まります。
また、ウレタン系塗料にはツヤがありますが、紫外線の影響で光沢保持率が低く、経年によりツヤが消えていくスピードも早いです。
- 防汚性が低い
- 汚れが付着しやすく、塗装して数年で薄汚れた印象になってしまいます。
- 耐久性が低い
- 紫外線の影響や防汚性の低さから、他の塗料に比べ耐久性の低い塗料といえます。
耐久性が低いと耐用年数が短くなり、塗り替えの回数が増えます。
- コストパフォーマンスが悪い
- 耐久性の低さから塗り替えの回数が増えるため、外壁塗装としての全体的なコストパフォーマンスは良くありません。
現在主流のシリコン系塗料は30年前後の間に3回の塗り替えで済むことに対し、ウレタン系塗料では3〜4回の塗り替えが必要です。
1回平均100万円の費用が掛かるとすると、シリコン系塗料は300万円、ウレタン系塗料は400万円と100万円の差が出てしまいます。
ウレタン系塗料はこんな人におすすめ!向いていない人も
ウレタン系塗料は「比較的安価で種類が豊富」な一方、「耐久性が低く長期的なコストパフォーマンスが悪い」面があります。
この特徴を踏まえ、ウレタン系塗料は以下のような人におすすめできると言えます。
- 外壁塗装を安く済ませたい人
- 現在主流のシリコン系塗料と比較して塗料自体の価格が安価なため、外壁塗装を安く済ませたい方におすすめです。
- 木部の塗装に高級感を出したい人
- ウレタン独特の高級感のある光沢仕上げができるため、木部や家具などに美しいツヤを出したい方に向いています。
- 外壁のイメージをこまめに変更したい人
- 外壁塗装のタイミングは平均して10年ごとです。
しかし、「もっと短いスパンで外壁を塗り替えてイメージを一新したい」場合には、「耐久性は低いが種類が豊富で安価」というウレタン系塗料の特徴が最大限に活かされます。
逆に、経年劣化による外壁の光沢・色の変化を望まない方や、できるだけ外壁塗装の回数を減らしたい方には、ウレタン系塗料は向いていないと言えます。
ウレタン系塗料を使う時は、ここに注意!
少しでも全体的な費用を抑えようとして付帯部分にウレタン系塗料を使用する場合、注意が必要です。
例えば「付帯部分はウレタン系塗料を、外壁はフッ素塗料を使った」など、屋根や外壁に使用する塗料と耐用年数が異なる場合、付帯部分のみ塗膜の劣化が早く起きてしまいます。
付帯部分だけの塗り替えでも場所によっては足場を組む必要があり、大きな金額になることが考えられます。
屋根や外壁に使用する塗料と付帯部分に使用する塗料の耐用年数は、同程度にしておきましょう。