外壁塗装高圧洗浄について詳しく解説しています。

役割や種類、費用相場など、外壁塗装の高圧洗浄を徹底解説!

外壁塗装の工程には、必ず高圧洗浄が入っています。

なんのために洗浄するのか、高圧洗浄の役割や種類、手順、費用相場などを詳しく解説します。

また、高圧洗浄をしないと発生するリスクのある不具合や、「高圧洗浄で壁が壊れることはないの?」といったちょっとした疑問についてもまとめています。

高圧洗浄とは?

高圧洗浄とは?

外壁塗装時に行われる高圧洗浄とは、専用の高圧洗浄機から水を噴射し、その圧力を利用して外壁に付いた汚れや古い塗膜を洗い流す工程のことです。

高圧洗浄では、具体的に以下のものを洗い流します。

汚れ
長い年月をかけて外壁に積み重なったホコリやカビ・コケ、排気ガスなどの汚れなどを洗い流します。
古い塗膜
剥がれている塗膜やチョーキングの粉など、古い塗膜を高圧で洗い流します。
イメージとしては、「洗う」よりも「薄く削り取る」方が近いかもしれません。

高圧洗浄機を使っても落としきれない汚れなどがある場合は、職人が手作業でこすり落とすこともあります。

なお、家庭用の高圧洗浄機では水圧が低いため、自分で外壁を洗浄するのは難しいです。

業者が使う専用の洗浄機は家庭用よりもパワーが強く、およそ1.5〜2.5倍の威力があります。

高圧洗浄はいつやるの?

高圧洗浄とは?

外壁塗装工事の流れの中では、足場を設置して養生した後に行われます。

基本的に水を使って洗浄しますが、水で落としきれない汚れがある場合は洗剤を使用します。洗剤を使用した高圧洗浄は「バイオ洗浄」と言います。

高圧洗浄を行った後は、1〜2日かけて完全に乾燥させてから次の工程に着手します。

高圧洗浄の役割

高圧洗浄には、大きく分けて3つの役割があります。

新しい塗料の密着性を高める
外壁に付いた汚れや古い塗膜を洗い流すことで、新しい塗料が外壁にしっかりと密着します。
密着が不十分だと、新しい塗料を塗っても耐用年数を待たずに浮いたり剥がれたりしてしまいます。
外壁を長持ちさせる
外壁の汚れを落とし、新しい塗料がしっかり密着すると塗料の機能性が長く発揮され、外壁自体を長持ちさせることにもつながります。
塗料の劣化が進むと外壁材自体も劣化し、大きな修繕工事が必要となるリスクがあります。
外壁の見た目が良くなる
高圧洗浄で外壁の汚れを落とすと表面の凸凹が滑らかになり、塗装の仕上がりが格段に良くなります。

高圧洗浄の種類

一口に“高圧洗浄”といっても、さまざまなタイプがあります。

なお、家庭用の高圧洗浄機とは、動力(家庭用は電気式、業務用はエンジン式)や圧力のパワーなどが異なります。

使用する液体による分類

通常タイプ・・・水
一般的に行われる高圧洗浄では、水道水を高い圧力で噴射して汚れを吹き飛ばします。
バイオ洗浄・・・専用の洗浄剤
水ではなく、専用の洗浄剤を使用して行う高圧洗浄です。
「洗浄剤を先に外壁に塗った後に水で高圧洗浄」するタイプと、「水と洗浄剤を混ぜた液体を高圧洗浄機で噴射」するタイプの2種類に分けられます。

使用するノズルによる分類

標準ノズル
水を先端から円錐状に噴射します。
トルネードノズル(トルネードタイプ)
先端を回転させながら水を噴射します。通常タイプよりも水圧が高く、頑固な汚れを取り除くために使用されます。
水が円を描くように噴射されるため、通常タイプよりも水が飛び散りにくいというメリットがある一方、強力な威力によりかえって外壁を傷つけたり、使用者が使用法を間違ってケガをしたりするリスクがあります。

水の飛距離による分類

ロングガン
噴射される水の勢いが強く、ある程度距離を取って洗浄する場合に使用します。
主に屋根の高圧洗浄で使われます。
ショートガン
近いところから水を噴射する時に使用します。外壁塗装では足場から外壁までの距離が近いため、主にショートガンが使われます。
ロングガンで外壁を洗浄するには威力が強すぎ、かえって外壁を傷める危険性があります。

外壁塗装前に高圧洗浄をしないとどうなる?

高圧洗浄をしないまま外壁塗装を行うと、以下のような不具合が発生するリスクが高まります。

ひび割れ
外壁に汚れが付着したまま塗装を行うと、表面が凸凹の状態で上から塗料を塗り重ねることになるため、すぐにひび割れてしまいます。
わずかなひび割れであれば大きな問題にはなりませんが、ある程度の大きさのひび割れが生じた場合は修繕工事が必要になります。
早期剥離
一般的に外壁塗装は10年前後を目安に行いますが、高圧洗浄を行わずに塗装してしまうと塗料が外壁にしっかり密着せず、数年もたずに剥がれてしまうことがあります。
仕上がり(見た目)が悪くなる
古い塗膜をそのままにして新しい塗料を塗り重ねると、外壁に汚れが残っているため表面が凸凹したり、色ムラが出たり、カビが浮き出たりと、美しく仕上がりません。
女性の場合、「化粧を落とさずに新たに上からファンデーションを塗る」ことを想像するとわかりやすいかもしれませんね。

これらは高圧洗浄を行ってから外壁塗装をすることで解決できます。

古い塗膜や汚れ、コケやカビなどを落とし、キレイな状態にしてから塗装すると、新しい塗料がしっかり外壁に密着し、塗料の機能が長持ちします。

それが、ひいては外壁・建物の耐久性をUPすることに繋がるのです。

高圧洗浄の手順

高圧洗浄は、外壁塗装の工程において初期に行われます。

高圧洗浄は、以下のような手順で実施します。

①家全体をシートで覆う
汚れた水が周囲に飛び散って汚さないように、家の周りを足場の外側からぐるっとシートで覆います。
換気扇や通風孔など、家の中に水が入ってしまう可能性のある部分を覆うこともあります。
②水を用意する
高圧洗浄では水を大量に使います。
水道から直接水を出して使用するのではなく、バケツやタンクなどに水を溜め、大量の水を吸い上げられるように準備します。
③洗う
溜めた水や洗剤を使用して、専用の高圧洗浄機で上から下へ洗浄して汚れを落とします。
屋根の洗浄も同時に行う場合は、屋根から先に洗浄します。
④すすぎ洗いを行う
1度の洗浄では落としきれない汚れや洗剤が残っている可能性があるため、さらに「すすぎ洗い」を行います。
⑤乾燥させる
1〜2日ほどかけて洗浄した外壁を乾燥させます。
十分に乾燥させないで塗装してしまうと、外壁と塗料の間に水分が入り込み、塗料の劣化を早めてしまいます。

高圧洗浄の費用相場

高圧洗浄の費用相場

高圧洗浄の費用は、1m²当たりの単価と建物の面積に応じて変動します。

一般的な費用相場は以下の通りです。

水による高圧洗浄の場合
  • 高圧洗浄費・・・200~300円/m²
  • 水道代・・・1,000円~2,000円程度
洗剤を使ったバイオ洗浄の場合
  • バイオ洗浄費:500~800円/m²
  • 水道代:2,000円~4,000円程度

バイオ洗浄では、洗剤の塗布前と洗い流しの2回洗浄するため、水道代が高圧洗浄の約2倍かかります。

外壁の一般的な面積の目安は、2階建てで延べ坪が30坪の戸建の場合約150m²、50坪の戸建で約250m²と言われています。

上記の中間値として200m²の外壁面積で計算すると、以下の費用が目安と言えます。

  • 水による高圧洗浄・・・20,000円~40,000円
  • 洗剤を使ったバイオ洗浄・・・40,000円~60,000円

外壁と同時に屋根塗装を行う場合は、屋根の高圧洗浄も行います。

その場合、屋根の面積分の費用が追加されます。さらに「コンクリート瓦」や「モニエル瓦」など高圧洗浄に時間がかかる屋根材や特殊な形状の屋根の場合は、単価が上がることも考えられます。

高圧洗浄のちょっとした疑問

外壁塗装の工程で行われる高圧洗浄のちょっとした疑問を集めました。

なぜ洗浄用の水を直接水道から取らないの?
外壁塗装で使用する高圧洗浄機は家庭用と異なり、とても強い水圧で水を噴射します。その分、使う水の量も多くなり、蛇口からの供給では間に合わないため、バケツやタンクなどに事前に多くの水を溜めて洗浄します。
ちなみに、家庭用の高圧洗浄機はホースで水道の蛇口と直結させて使うものが多く、家庭用と業務用の水圧の基準値は以下の通りです。
  • 一般家庭で使用する場合の高圧洗浄機の基準値:6Mpa~12Mpa
  • 業務用として使用する場合の高圧洗浄機の基準値:15Mpa以上
Mpa(メガパスカル)は水圧の単位で、数字が大きいほど高い水圧を表します。
水道代は安くできる?
水道代の節約はおすすめできません。
水道代を下げるためには使う水の量を減らす必要があります。それを理由に、高圧洗浄を短時間でいいかげんに終わらせてしまう業者がいるかもしれません。
高圧洗浄をしっかり行わないと、新しい塗料の密着度が下がり、早期剥離など不具合発生のリスクが高まります。
バケツから水があふれて無駄にならない施策をとってくれる優良業者もいますが、基本的に水道代を交渉するのはやめておきましょう。
塗装しない部分も洗ってもらえる?
窓や網戸など、頻繁に掃除をするのが手間な場所を洗ってもらえるかどうかは、業者によります。
もともとの工事内容には入っていない工程のため、工期の関係などで断られる事はもちろんあります。しかし、プロに洗浄してもらえれば自分で行うよりもキレイになるので、「可能であればお願いしたい」という気持ちで聞いてみる価値はあります。
高圧洗浄で屋根や壁が壊れることはないの?
外壁塗装では熟練の職人が高圧洗浄を行うため、壊れる心配はありません。
高圧洗浄は高い水圧で汚れや古い塗膜を吹き飛ばして洗浄しますが、いたずらに高い水圧で洗っているわけではなく、外壁の劣化状態によって細かく水圧を調整しています。
窓やサッシ周り、ひび割れなどは特に注意が必要で、水圧のほかに洗浄する順番や使うノズルの選択など、高度な技術が必要です。
見積書に「高圧洗浄一式」って書いてあるけど大丈夫?
優良業者であれば、洗浄する部分の面積と単価が見積書に記されています。
「一式」としてまとめて書かれている場合は、内訳をしっかり確認しましょう。

高圧洗浄に関するよくある質問について、詳しくはこちらをご覧ください。

外壁塗装よくある質問【高圧洗浄】
ケントリファイン

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