防犯までできるの?
外壁塗装工事でできることとは
外壁塗装工事では、不具合の箇所を発見・補修したり、外壁の色を変えて建物のイメージを一新したり、多くのことができます。
その一方で、塗装ではカバーできないこともあります。
ここでは、外壁塗装工事ではどのようなことができるのか・効果があるのか、逆にできないことにはどのようなことがあるのかを詳しく解説します。
そのほか、しない方がよいことも紹介していますので、ぜひご覧ください。
外壁塗装工事でできること
- 建物の診断
- 色の塗り替え
- イメージ・印象の変更
- 美観の回復
- 防犯
- 性能の回復・強化
- 防水・耐水・防湿
- 耐久性
- 遮熱、断熱の向上
- 防汚、防藻、防カビ、さび止め等
- 空気清浄(光触媒塗料)
外壁塗装工事では、塗料を塗るだけでなく、上記のように数多くの対応が可能です。
ここでは、それぞれの「できること」について、詳しく解説します。
建物の診断
外壁塗装の前には、必ず建物の診断が行われます。これは見積書を提出する前に行われ、「現地調査」とも呼ばれています。
一般的に、現地調査では以下のようなことを調査・診断します。
- 劣化状況
- 塗る場所と面積の確認
- 建物に使用されている建材や素材
- 付帯部の種類 など
建物は日が当たる面と当たらない面で劣化状況が異なり、補修が必要かどうか、必要ならどのような補修を行うのかなどをしっかり確認します。
もしも雨漏りやシーリングの劣化などがあり、防水工事やシーリング工事を行うことになると、外壁塗装工事とは別の工事が必要です。
リフォーム工事なども手掛ける業者だと、一緒に対応してもらえて助かりますね。
なお、外壁塗装工事以外でも、定期点検として建物の診断を受けることはとても大切です。
見た目に劣化症状がなくても、プロの目で確認すると修繕が必要な場所に気付くことがあるからです。
現地調査など、外壁塗装工事に入る前の流れについて詳しくはこちらをご覧ください。
外壁塗装の全工程を公開!期間は?色の塗り替え
外壁や屋根、付帯部などの色を塗り替えます。
現在の色と同じような色を選ぶのか、まったく異なる色を選ぶのか、色を決める作業は楽しくもあり、悩ましいことでもあります。
単純に「好きな色」というだけで選ぶ方もいると思いますが、周囲との調和を念頭に置いた色選びも重要です。
紫色が好きだからといって、ベージュ系の住宅が立ち並ぶ一角に紫色の家があれば、悪目立ちしてしまいます。
周囲との調和を考えて白い色の壁にしたところ、光の反射が近隣住宅の窓から入りクレームになってしまうこともあります。
外壁の色は建物のイメージを大きく左右するため、時間をかけてしっかり選びましょう。
色の選び方について詳しくはこちらをご覧ください。
外壁と屋根の色、おすすめの選び方は?人気色や効果について解説! 職人さんおすすめの外壁塗装の色は?現場の様子もご紹介!イメージ・印象の変更
外壁塗装工事は、建物の印象を変更するのにとても効果的です。
優しい印象のベージュから明るく元気な印象のライトイエローへ、落ち着いた印象のブラウンから爽やかなパステルブルーへ、など、建物やそこに住む人へ持たせたいイメージに合わせて色を選ぶことができます。
それまで1色だった外壁をツートンカラーにしたり、屋根や付帯部の色を変えたりなど、デザインの変更にも大きな効果が見込めます。個性的な色を使わなくても、大きく印象を変えることができます。
色の与えるイメージについて詳しくはこちらをご覧ください。
外壁塗装のカラー効果とイメージ美観の回復
雨だれや煤などで薄汚れた外壁が塗装によってすっきりキレイになるだけで、まるで新築のようになり気分が晴れやかになります。
また、外壁塗装を行う時は、不具合がある場所は補修してから塗り直します。それにより建物を良い状態で維持できるため、資産価値も高まります。
防犯
警視庁の統計資料「住まいる防犯110番」によると、侵入窃盗、いわゆる空き巣被害の割合は戸建て住宅が3割を超えトップです。
戸建て住宅は家の周りに物が置かれていて足場にしやすかったり、家人が在宅かどうかを外から確認しやすかったりするため、狙われやすいのです。
空き巣はほとんどの場合、事前に下見をしてから侵入する家を決めるそうです。
その際、外壁が色あせていたり、タイルが剥がれていたり、といった一見して「メンテナンスしていない家」は、家が手入れされていない事から防犯意識が低いと判断されてしまいます。
逆に、外壁塗装などを行い、しっかりメンテナンスをしている建物は「家に対する意識が高い=防犯意識も高い」と判断され、防犯効果が高まります。
外壁塗装での防犯対策について詳しくはこちらをご覧ください。
外壁塗装の防犯対策、してますか?空き巣を防ぐ塗装ってあるの?性能の回復・強化
外壁塗装用の塗料には、さまざまな性能が付加されています。
それらは経年劣化などで徐々に失われていくため、新しく塗装することで性能の回復・強化が見込めます。
塗料の持つ主な性能には、以下のようなものがあります。
- 1、防水・耐水・防湿
-
外壁を塗装することで塗膜ができ、建物への水分の侵入を防ぎます。水分が浸入すると、雨漏りやカビなどの発生を招きます。
防水塗料について詳しくはこちらをご覧ください。
「防水塗料」ってどんな塗料? - 2、耐久性
-
塗料の塗膜によって紫外線や風雨による劣化を防ぎ、建物の耐久性を高めます。塗膜が劣化すると外壁材が直接外気に触れることになり、水分が浸入するリスクが高くなります。これは建材の腐食へとつながり、建物の耐久性が下がってしまいます。
- 3、遮熱、断熱の向上
-
太陽光の熱による室温上昇を防ぐ「遮熱・断熱」性能を外壁に付加します。塗膜の劣化により熱を遮断する機能が落ちるため、塗装することで外壁に再度性能を持たせます。
遮熱・断熱塗料について詳しくはこちらをご覧ください。
断熱塗料と遮熱塗料の違いはなに?どっちがいいの? - 4、防汚、防藻、防カビ、さび止め等
-
汚れや藻・カビが外壁に付くことを予防する効果や、金属部分の腐食を防ぐ機能を強化します。汚れや藻・カビ、さびなどは水分が外壁に長く付着すると発生することが多いため、これらを防ぐ性能を持つ塗料を新たに塗装し発生を防ぎます。
防汚塗料について詳しくはこちらをご覧ください。
外壁塗装で使う低汚染塗料ってどんな塗料?特徴とメリット防カビ塗料ついて詳しくはこちらをご覧ください。
「 防カビ塗料」ってどんな塗料?防さび塗料について詳しくはこちらをご覧ください。
「防さび塗料・防錆塗料(ぼうせいとりょう)」ってどんな塗料? - 5、空気清浄(光触媒塗料)
-
比較的新しい性能です。光触媒塗料を使用すると空気中の汚れやニオイを寄せ付けない外壁になり、建物周辺の空気清浄効果が見込めます。
光触媒塗料について詳しくはこちらをご覧ください。
外壁塗装で注目されている光触媒ってどんな塗料?メリットデメリットを解説
外壁塗装工事でできないこと
- 建物自体の防水
- ひび割れ、亀裂、雨漏りの補修・修繕
- 高度な遮熱や断熱
- 屋根の修繕・塗装
塗装以外にもできることの多い外壁塗装工事ですが、できないこともあります。
上記の「対応できない内容」について、詳しく解説します。
建物自体の防水
外壁塗装工事は、あくまで「塗料を塗る」工事です。例えば外壁材を交換したり、張り替えたり、といった建物自体を完全防水にするような施工は行いません。
これらの工事はリフォームの範疇になります。
外壁塗装と同時にリフォームも行える業者の場合は、一緒に相談すると効率的でおすすめです。
ひび割れ、亀裂、雨漏りの補修・修繕
外壁材や屋根材に入ってしまったひび割れや亀裂、そこから水が入り込むことによる雨漏りなどの補修・修繕はできません。
外壁塗装では、塗料のひび割れやコーキングの軽度の亀裂に対し、塗料の上塗りやコーキングの打ち直しなどで補修することが可能です。
高度な遮熱や断熱
建物の壁や柱の内側に断熱材を充填したり、板状にしたプラスチック系断熱材を建物の外側に貼り付けたり、といった高度な遮熱・断熱は、外壁塗装では行いません。
遮熱・断熱塗料を使用して太陽光を反射させたり、遮ったりは可能ですが、建物自体の遮熱・断熱性能を著しく上げる工事は外壁塗装工事とは別物です。
屋根の修繕・塗装
純粋に「外壁塗装のみ」の場合、屋根の塗装は含まれません。一般的に、足場代など工事費を抑えるために外壁と屋根の塗装は同時に行うことがおすすめですが、必ずセットで塗装するわけではないため、屋根の塗装も依頼する場合は業者にきちんとその旨を伝えましょう。
なお、「割れた瓦を交換してほしい」「屋根材の下の防水シートを交換してほしい」など、屋根の修繕は屋根塗装の範囲外です。
屋根の塗装について詳しくはこちらをご覧ください。
外壁塗装と屋根塗装は同時にやったほうがいい!その理由とは?外壁塗装工事でしないほうがよいこと
- 外壁塗装工事や補修・修繕工事を先延ばしにする
- 補修・修繕をしないで外壁塗装だけする
- 安価な業者を選ぶ
- 安価な塗料を使用する
- 工事の工程を省いて価格を下げてもらう
外壁塗装工事では、できること・できないことのほかに、「しないほうがよいこと」もあります。
なぜ上記に挙げた内容はしない方がよいのか、詳しく解説します。
外壁塗装工事や補修・修繕工事を先延ばしにする
外壁塗装工事は大きな金額がかかるため、後回しにしがちです。
「まだ雨漏りしていないから」「今のところ特に不具合は感じないから」などの理由で工事を先延ばしにしてしまうと、見た目ではすぐに判断のできない劣化が進み、塗装工事では間に合わないような大きな修繕工事が必要になる恐れがあります。
プロの目で見ないとわからない劣化症状もあるため、定期的な点検は必ず受け、適切なタイミングで塗装工事を行いましょう。
外壁の劣化症状について詳しくはこちらをご覧ください。
外壁塗装と屋根塗装は同時にやったほうがいい!その理由とは?補修・修繕をしないで外壁塗装だけする
塗膜の軽微なひび割れやコーキングの剥がれなどがある場合、補修してから塗装を行います。
これらの補修にも費用がかかりますが、この費用を削減するために補修・修繕をしないで上から塗料を塗ることはやめましょう。
見た目だけはキレイに整いますが、根本的な劣化は改善していないため、早期不具合の原因となります。
一度塗装したところを剥がして補修しなければならなくなったり、もう一度足場を組んで再塗装することになったりと、より大きな費用のかかる工事が必要になることがあります。
安価な業者を選ぶ
外壁塗装工事を行う際は、複数の業者から見積もりを取ることが多いと思います。
その際、「とにかく一番安い業者」を選ぶことは避けましょう。
塗料の性能を正しく発揮し、長期間正常に機能させるためには、必ず適正な費用がかかります。
「安かろう悪かろう」の言葉通り、あまりにも安い金額を提示している場合、「なにかしら必要なことを省いている」可能性があります。
職人さんを減らして人件費を削減するなど、丁寧な施工に必要な内容を削ると、早期不具合に繋がるリスクがあります。
見積もり金額がとても低い場合は、「なぜ安いのか」を確認しましょう。
業者さんの選び方について詳しくはこちらをご覧ください。
外壁塗装の優良業者の見極め方!大手のメリットデメリットも解説します安価な塗料を使用する
塗料にはグレードがあり、機能性の高い塗料ほど一般的に金額も高価になります。
例えば、現在主流のシリコン塗料と安価なアクリル塗料では、30坪物件の塗装費を比較すると25万円ほどの差が出ます。その分、耐用年数も4~7年の差が出てしまい、安価なアクリル塗料を使用した場合は短いスパンでの塗り替えが必要になります。
また、セラミック塗料のように「“セラミック塗料”を名乗るためのセラミック含有率は規定がない」ケースもあります。
安価なセラミック塗料はセラミックの含有量がとても少ないケースがあり、その場合、本来であれば発揮されるセラミックの良さはあまり感じることができないでしょう。
外壁塗装で使用する塗料の適正価格を、事前に一度調べることをおすすめします。
塗料のグレードについて詳しくはこちらをご覧ください。
初めてでもすぐわかる!外壁塗装の塗料の種類・グレード・選び方工事の工程を省いて価格を下げてもらう
高圧洗浄をせずに塗装したり、付帯部の塗装をしなかったりなど、工事の工程を省くことはやめましょう。
工期が短くなれば職人さんの人件費が削減できるため費用は安くなりますが、その分、塗料が外壁材にきちんと定着しなかったり、付帯部の損傷による雨漏りが発生したり、など早期不具合の発生リスクが高くなります。
10年以上の長い期間、住む家を守るための工事です。必要な時間と費用をかけてしっかり施工してもらいましょう。