外壁塗装を頼んだら、雨どいや玄関も塗装してもらえる?
外壁塗装を依頼すると、外壁や屋根以外の部分はどこまで塗装してくれるのでしょうか?
見積書に「付帯部」という項目があることが多いと思いますが、この「付帯部」が雨どいなど外壁・屋根以外の部分です。
具体的にどのパーツを付帯部と呼ぶのか、外壁塗装と一緒に塗装する必要があるのか、実際にどこまで塗ってもらえるのかなどを詳しく解説します。
付帯部の塗装には注意すべき点があるため、広い面積の外壁だけ注意するのではなく、付帯部の塗装に付いてもしっかりと確認してください。
外壁塗装で聞く「付帯部」ってどこのこと?
外壁塗装を検討していると出てくる「付帯部(ふたいぶ)」という言葉。
これは、外壁や屋根以外の部分を指し、外壁塗装では付帯部も塗装を行います。
付帯部とは、具体的に以下のような部分です。
名称 | 場所 |
---|---|
雨どい(あまどい) | 軒先に付けられる雨水の排水装置。「軒樋(のきどい)」とも呼ばれる。縦に設置された雨どいは「竪樋(たてどい)」と呼ぶ。 |
軒天(のきてん) | 下から家を見上げた時に、外壁から突き出している屋根の裏側部分。「軒天井(のきてんじょう)」や「軒裏天井(のきうらてんじょう)」とも呼ばれる。 |
破風(はふ) | 屋根の側面に付いている板のことで、雨どいが付いていない部分。「破風板(はふいた)」とも呼ばれる。 |
鼻隠し | 屋根の側面に付いている板のことで、雨どいを取り付ける部分。 |
矢切、屋切(やぎり) | 外壁と屋根の間にあるスペースのこと。雨が当たりにくい場所のため、換気口を設置することが多い。 |
幅木、巾木(はばき) | 住宅を支える基礎の部分。外壁塗装では「基礎幅(巾)木」とも呼ばれる。本来は室内の壁と床の境目に付けられた板のこと。 |
雨戸 | 風雨から家や窓を守るために取り付けられた板戸。窓の外側に付けられている。 |
戸袋 | 雨戸を収納する箱状の部分。 |
ベランダ | 2階以上にある住戸から外に張り出した屋根のあるスペース。ベランダの外壁塗装と床の防水工事は同時に行うことが多い。なお、屋根がない場合は「バルコニー」と呼ぶ。 |
笠木(かさぎ) | ベランダの手すりや塀などの一番上に被せている部分。 |
窓枠 | 窓の周囲にある枠のこと。サッシ。木製、アルミ、樹脂などがある。 |
換気フード | 自然給排気口やキッチンの換気扇用に屋外に付いているカバー部分。ステンレス製やプラスチック製がある。 |
玄関ドア | 玄関の出入り口。主に木製と金属製がある。 |
付帯部の塗装が必要な理由
通常外壁塗装時には、以下の理由によって付帯部の塗装も同時に行われます。
- ①建物の劣化を防ぐ
- 付帯部は、外壁と同様に建物を守っています。
例えば、雨どいが破損したり破風が腐食していたりすると、雨漏りに繋がります。
これらを防ぐため、外壁の塗装時には付帯部も補修や塗装を行い、防水性を維持しています。 - ②仕上がりが美しくなる
- 仮に、外壁のみ塗装して付帯部を放置してしまうと、外壁のみピカピカで付帯部は古いまま、と見た目がアンバランスになってしまいます。
家全体を美しく仕上げるには、付帯部の塗装も必須です。 - ③コストパフォーマンスが良い
- 雨どいや軒天などは高い位置にあることが多く、補修や塗装には足場が必要になります。
足場の設置には20万円程度の費用がかかることが多いため、外壁塗装と同時に行うと足場費用が節約でき、コストパフォーマンスが良くなります。
外壁塗装時、付帯部はどこまで塗ってもらえるの?
一般的に、外壁塗装時に塗ってもらえる付帯部は以下の部分です。
- 雨どい
- 軒天
- 雨戸(戸袋)
- 破風
- 鼻隠し
- 庇(ひさし。窓や玄関などの上に設置された小さな屋根のこと。)
そのほか、ベランダがある場合はベランダの床や笠木も含まれることが多いです。
なお、室内塗装も希望する場合、業者によっては対応できることがあるため相談してみましょう。外壁塗装と同時進行になるか、順番に行うかは業者によります。
塗らない部分もある?その理由とは
付帯部の中でも、コンクリートやアルミ部分、窓ガラスは塗りません。
コンクリートは建物の基礎にあたる部分が多く、そもそも塗る必要がありません。
アルミ部分は、例えば窓サッシなどです。アルミは塗料との密着性が悪く、塗装してもすぐに浮いたり剥がれたりしてしまいます。
最近では雨戸がアルミやスチール製のシャッターになっている住宅が多いですが、この場合もシャッター自体は塗装しません。
基本的に、磁石でくっつかない金属は塗装不要のものが多いと言えます。
付帯部の塗装費用相場
付帯部は、家の構造や形によって大きさが異なり、費用も変動します。
ここでは、付帯部の塗装に係る費用として一般的な相場をご紹介します。
名称 | 費用相場 |
---|---|
雨どい(あまどい) | 550円~3,500円/m |
軒天(のきてん) | 1,200円~1,500円/m² |
破風(はふ)・鼻隠し | 650円~800円/m |
雨戸 | 2,000円~3,000円/枚 |
戸袋 | 2,300円~3,000円/枚 |
笠木(かさぎ) | 400円~800円/m² |
付帯部の塗装はココをしっかりチェック
外壁塗装を行う時は、付帯部の塗装に付いてもしっかりチェックしてください。
- 具体的な塗装付帯部を確認する
- 業者によって「付帯部をどこまで塗るか」は異なるため、見積書などで、塗装する付帯部を確認しましょう。
「付帯部 一式」とされている場合、どこを塗ってもらえるのか業者に聞き取りを行ってください。 - 工程に付帯部の下処理日程が入っているかどうか
- 業者から提出された工程表に、付帯部の下処理が含まれているかチェックしましょう。
外壁同様、付帯部の塗装にも下処理が必要です。 - 補修が必要な部分はあるか
- 補修が必要な部分があるかどうか、その補修には費用が別に掛かるのかどうか確認しましょう。
仮に別途費用がかかったとしても、補修しておかないと雨漏りなどにつながることがあります。 - 適切な塗料が使われているか
- 付帯部用の塗料についてきちんと記載があるか確認しましょう。
塗料には対応している素材が決められており、外壁用の塗料をそのまま付帯部に使いまわすことは基本的にできません。 - 付帯部用塗料の耐用年数
- 付帯部用の塗料と外壁用の塗料は、できる限り耐用年数を揃えてください。
同じくらいの耐用年数の塗料を使えば、次回の塗装のタイミングを合わせることができます。 - 全体的な色のバランス
- 外壁の色と付帯部の色のバランスに注意しましょう。
屋根や外壁と同系統の色か、アクセントになるようまったく違う色か、選ぶ色によって家の見え方が大きく異なります。