外壁塗装工事の騒音でトラブルにならないために大切なこととは?
外壁塗装工事を行うと、どうしても騒音が出てしまいます。
人によっては「かなりうるさい」「耐えられない」と感じることもあり、近隣トラブルに発展することも少なくありません。
ここでは、外壁塗装工事の工程や騒音が出るタイミング、施工主ができる騒音対策、近隣トラブルを防ぐポイントについて詳しく解説します。
外壁塗装工事がうるさいのはいつ?
工程別に出る騒音を詳しく解説
外壁塗装工事は、一般的に10日間〜2週間かけて上記の工程で行われます。
工程によって、騒音の有無や種類が異なります。ここでは、騒音がでる工程の施工期間や騒音の大きさについて詳しく解説します。
①⑨足場の設置・撤去
足場には金属製のパイプが使われており、設置や撤去時にはパイプ同士がぶつかりあったりハンマーで叩いたりして設置・撤去します。そのため「カンカンカンカン」という甲高い音がします。
この音の大きさは60デシベル程度で、掃除機の音やトイレの洗浄音と同じくらいの騒音レベルです。
また、足場の資材はトラックで搬入するため、トラックの走行・エンジン音、ドアの開閉音などがします。
足場の設置や撤去には、職人3〜4人で通常4〜5時間程度かかります。
②高圧洗浄
外壁塗装で行われる高圧洗浄は、ホームセンターなどで売られているような家庭用の物よりも圧力の強いエンジン式を使用して行われます。
その分音も大きくなり、65〜70デシベル程度、やかんの沸騰音やセミの鳴き声と同じくらいです。しかし、高圧洗浄時には足場の外側に防塵防音シートが囲われているため、近隣への音の伝わり方はもう少し小さくなります。
外壁の高圧洗浄は半日〜1日かけて丁寧に行われます。
騒音を嫌ってこの工程を雑に行ってしまうと、塗料の早期剥離や気泡の原因となってしまい、外壁が美しく仕上がりません。
③下地処理
外壁の補修を行う下地処理では、ほとんど騒音は出ません。
しかし、補修内容によってはドリルを使うことがあり、短時間ではありますがドリルの使用音がします。
特にタイル張りの外壁の場合、ヒビの入ったタイルを一度カッターや電動ピックを使って剥がすため、道路工事と同じレベルの騒音(80〜90デシベル)が発生します。
④養生
足場を囲う養生シートは、近隣に塗料が飛び散ることを防ぐために設置されます。
養生作業自体に騒音は発生しませんが、養生シートが風にあおられる音を気にする人もいます。
風が強い日などは、養生シートがバサバサと音を立てないよう足場に固定してもらいましょう。
⑤~⑦塗装
通常、ローラーやハケを使って塗料を塗る場合は大きな音は発生しません。
スプレーで吹き付ける場合には、プラモデルの塗装やネイルアートで使うエアブラシの特大版のような、スプレーガンという機械を使って吹付作業を行うため、騒音が発生します。
騒音レベルは70デシベル程度で、高圧洗浄と同等の大きさです。
期間は吹付作業を行う面積によって異なります。
騒音が気になる方は、業者に「吹付作業が発生するか」「何日くらいかかるか」を事前に確認しましょう。
職人さんの話声
外壁塗装は複数の職人さん達が声を掛け合って作業することが多く、話し声が気になることもあります。
話し声なので大きな音ではありませんが、他人の携帯電話の会話が気になるように、耳障りに感じる場合もあります。
あまりにも無駄話や大声での会話が多い場合には、業者に相談してみましょう。
施工主ができる騒音対策
外壁塗装工事中は、どうしても騒音が出てしまいます。
できる限り工事中も快適に過ごせるよう、施工主ができる騒音対策をご紹介します。
- 騒音がでるタイミングを把握しておく
- 建物の規模や外壁の形状、塗装方法などによって工程や期間が異なります。
具体的な騒音対策をとる前に、いつ騒音がでる可能性があるのか業者に確認しましょう。
事前に把握しておくと、近隣の住民へ挨拶する時にも説明しやすくなります。
- 外出する
- 騒音が出る工程がわかったら、それに合わせて外出する方法があります。
外壁塗装時は業者から指定されたタイミング以外は施工主が家にいなくても問題ありません。
外出する時はしっかり戸締りをし、業者に一声かけてから出掛けましょう。
- 耳栓やイヤホン・ヘッドホンを付ける
- 外壁塗装工事の騒音は、家の中にいてもかなり聞こえます。
どうしても外出できない場合は、耳栓やイヤホン、ヘッドホンを付けると騒音が和らぎます。
イヤホンやヘッドホンは、ノイズキャンセリング機能が付いたものも販売されています。
周囲の雑音を軽減するこの機能のついたものを使用すると、より騒音が気にならなくなるかもしれないですね。
近隣トラブルを防ぐポイント
外壁塗装工事で出る騒音は人によって感じ方が違い、「かなりうるさい」と思う人もいます。
騒音による近隣トラブルを防ぐには、以下のことをしっかり行いましょう。
- 工事前の挨拶、工事後のお礼
- 工事期間・工程の詳細を説明
- トラブル発生時の対処に関する契約内容の確認
近隣への挨拶は業者任せにせず、施工主も必ず行いましょう。
その時には工事期間や工程を説明し、騒音が出るタイミングも話しておくと、騒音によるトラブルが起きにくいです。
また、仮にトラブルが発生した場合、業者がどのような対処をとってくれるのか、契約内容もしっかり確認しておきます。
「近隣」ってどこまで?
一戸建ての場合、基本は「向こう三軒両隣」です。
しかし、外壁塗装工事は自宅の外周を養生シートが囲い、さらに大きな音が発生するため、裏三軒も挨拶しておくとより丁寧です。
足場の資材を乗せたトラックが道路に停車することもあるので、道路を挟んだお宅にも挨拶に伺いましょう。